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2017.3.16 09:43/ Jun

【本日発売・内容チラ見せします!】新刊「育児は仕事の役に立つ!ーワンオペ育児からチーム育児へ」浜屋祐子・中原淳著

 浜屋祐子さんとの共著・新刊「育児は仕事の役に立つーワンオペ育児からチーム育児へ」を光文社さんから刊行することになりました。めでたい!

「育児は仕事の役に立つーワンオペ育児からチーム育児へ」
http://amzn.to/2mtsDqd
    
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「育児は仕事の役に立つーワンオペ育児からチーム育児へ」は、
  
 育児の経験ーそれも「共働きの育児の経験=チーム育児」は、仕事の能力やスキルの向上によい影響をあたえうること
  
 を論じた本であり、
  
「ワンオペ育児(夫婦のうちどちらか一方が抱え込む育児)」を脱し、「共働き育児=チーム育児」をなすために留意したいポイントをゆるゆると対話している
  
 本です。
   
 夫婦のうちどちらが抱え込む育児を「ワンオペ育児」とよび、これを「チーム育児」と区別しています。本書では、ワンオペ育児からいかにチーム育児に転換をはかるかについても、実践的なノウハウが論じられています。
  
 本書の最大の主張は「育児と仕事の良好な関係」です。
 育児の経験は、「働くことからの逃避」「働くこととは無縁の世界」と思われがちですが、両者のあいだには、良好な関係があることを論じています。こうした考え方ののことを「ワークライフエンリッチメント」といいます。従来の考え方が「ワークライフコンフリクト」であったことからは、大きくパラダイムを変えています。
  
 なお、浜屋さんは、元・わたしの指導学生で、この本の骨子は、彼女が東京大学大学院に提出した修士論文がモティーフになっています。「育児と仕事の良好な関係」をわたしの経験談だけから語るのではなく、実証的な分析を通して主張しているところがポイントです。
  
 今日は、本日発刊ということで、その内容をチラ見せしちゃいます。
  
  ▼
  
 まず本書の面白さは、著者ふたりが、現役バリバリの「共働き育児」を敢行しているということです。書籍冒頭に、その様子が、論じられています。
  
 著者二人の共働き子育ては、まったく「優雅」な世界ではありません。少なくとも僕にいたっては、「優雅さゼロの地をはうような世界」です。
 また、僕はちゃんとまともに育児をしているかというと、かなり疑問符です。カミサンが本書を読んだら、かなりディスられること請け合いです。その意味で、本書を通じて、僕はカミサンにかなり懺悔をしています。本当にごめんなさい。そして、いつも、ありがとう。改善します・・・仕事の仕方を。
  
 書籍の中では、そんなところも、あるがままを論じています。
 その様子は、書籍冒頭のイラストからも垣間見られるでしょう。
  
 浜屋さんの様子はこちら

  
 僕の様子はこちら

  
   ▼
  
 繰り返しになりますが、本書のモティーフになっているのは、「共働き子育ての経験」と「仕事のなかで発揮される能力」が類似している、というところです。
 そして、「共働き子育ての経験」がいかに「仕事のなかで発揮される能力」に「よい影響(ポジティブ・スピルオーバー:Positive Spillover)」をあたえているかを論じています。

  
 これまでおおくの育児本は、育児と仕事の関係を「わたしの経験談」から論じていました。本書では、統計解析を行い、この2つの関係をしっかりと仮説検証しています。

 また、巻末部では、
  
 共働き育児をこれからはじめる方々が、何からはじめていけばいいのかを3ステップモデルで

 論じています
  
 こちらのモデルから、いくつかの実践的なヒントが得られるものと思われます。

  
 チーム育児のコツは、「やってみるーみなおすーふりかえる」の3サイクルをクルクルと回すことです。
  

  
 そのうえで、チーム育児がうまくいかない理由について、「氷山の下」に隠れている深層の要因をさぐっていくことが重要かと思います。
  

  
 本書は、ぜひ、共働きの子育てを行っている方々にお読み頂ければと思います。またワーキングマザーをお持ちの管理職の方々にもお楽しみいただけることと思います。
 加えて「働き方改革」で何をしたらよいか途方に暮れている人事部の方々、経営者の方々にもお楽しみいただける内容
かと思います。
  
 本書の編集は、光文社編集部の樋口健さん、構成は井上佐保子さんにお世話になりました。本当にお疲れ様でした&ありがとうございました。
  

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