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2023.3.2 11:03/ Jun

あなたにとって「対話」はどのような「イメージ」ですか?:「耳掃除」から「脱出ゲーム」まで

あなたにとって「対話」はどのような「イメージ」ですか?
   
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 せんだって開催された【オフラインフェスティバル2023】では、中原も「対話について対話する」というセッションを担当させていただきました。
       

  
 このセッションでは、「対話」についての事前オンデマンドビデオ(小生の講演)をご覧いただき、そのうえで、下記の2つの問いに関する「自分の案」をセッションに持ってきていただき、全体で共有+グループでディスカッションする、ということを皆さんで行いました。
  
 問いとは、
  

 問い1.あなた自身は「対話とは・・・・・のようなものだ」と思いますか?
(喩えてみよう!)
 
 問い2.その心は?

  
 の2つです。
  
 皆さんのご協力もあり、30分という限られた時間のなかでしたが、実に多種多様なメタファが生まれてきました。
  
 結局、対話は誰もが大事だと思う。このことに「非」をとなえるひとは、あまりいません。
しかし、そこで展開されるコミュニケーションの理想像や、かつ、その目的が十分に伝わっていないことが多いものです。
よって、ファシリテータは、対話にまつわる「自分自身がしっくりするメタファ」をもって、「自分の軸」をもつ必要があるのです。そのうえで、メタファを自社組織に流行させるといいのかな、と思うのです。このセッションに隠された思いは、上記のようなものでした。
    
 下記に皆さんのメタファを書かせていただきます。
  
 これを読む前に、もし、自分だったら、どのような「メタファ」を選ぶか考えたあとで読まれると面白いのではないか、と思います。
  
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■対話とは「両思いになる過程」である
・その心は「最初は片思い」かもしれないが、話し合い、相互にズレを補正し続ける
  
■対話とは「脱出ゲーム」である
 ・ともに動き、ともに出口を探し、新たなゴールをともに見る
  
■対話とは「グループ交換日記」である
・ともに本音を交わし合う
  
■対話とは「異国の料理」を相互に持ち寄り、食べることである
・最初は「慣れ親しまない味」かもしれないが、みなで食べているとおいしく感じる
  
■対話とは「持ち寄りパーティ」である
・様々な素材を「持ち寄り」、みなで食べる
  
■対話とは「山登り」である
・登っている最中は、相手の背中しかみえない
・上り詰めた瞬間に、頂上からの光景が広がる
  
■理想の対話とは「ジャズ」である
・その場の即興で、美しい音楽が奏でられる
・しかし「現実の対話」とはダイエットである。なかなか長続きしない
  
■対話とは「シチュー」である
・いろんな材料をおいしく似る
  
■対話とは「たき火」である
・みなで同じテーマを見つめ、真剣に語りある
  
■対話とは「ねるねるねるね」である
・対話しているときは「渾然一体」としていて「カオス」である
  
■対話とは「静かな殴り合い」である
 ・対話とは「異なる意見」をかわしあう、ときに葛藤も生まれる
   
■対話とは「相手が見ている双眼鏡」を一緒に見ている
 ・相手の見ている光景を、ともに見ること
  
■対話とは「友達と温泉に行くこと」である
 ・リラックスして湯につかっているうちに「実はさ・・・」
  とふだん話さないことが語られる
  
■対話とは「スパイス」である
 ・スパイシーな異なる意見に触れることができる
  
■対話とは「波紋の連鎖」である
・相手の波紋を感じ、自ら波紋をおこす
  
■対話とは「仲間と宝さがしをすること」である
・宝があることを信じて、ともに探す
  
■対話とは「他人に耳掃除されること」である
・気持ちいいものだが、たまに痛っ、となる
(日本ファシリテーション協会・会長 竹本 記子さんの作品です、笑。素晴らしい!)
  
■対話とは「みなでゾウをなでること」である
・撫でた場所によって、まったく異なるものを想像してしまう
  
■対話とは「チャーリー浜のギャグ」である
・君たちがいて、僕がいる
   
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 以上、いかがでしょうか?
  
 ピンとくるイメージはおありでしたか?
 ひとつの「正解」があるわけではございません。
   
 もし皆さんのお近くに「対話すること」に興味をお持ちの方がいらしたら、今日のブログを印刷して、皆で読み込み「対話することについて対話する」と面白いかもしれませんよ。
    
 あなたにとって「対話」はどんなイメージですか?
   
 そして人生はつづく
     
 ーーー
  
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新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください! 
       
「チームワーキング研修版」リリースされました!
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
   
「チームワーキング」が「アセスメントを絡めた管理職研修」として利用されております。モニター利用各社の人事担当者の皆様、開発担当者の堀尾さんと、座談会をさせていただきました。ぜひご覧くださいませ!
   
チームワーキング座談会
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/case/index.html 
  
 書籍「チームワーキング」の方も、おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
     
    
 
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すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!           
  
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立教大学経営学部 中原ゼミ4期生、ゲームなどを活用した「内定者フォローワークショップ」を共同開発! ダイヤモンド社・ダイヤモンドヒューマンリソースさまから発売中!デンソー様、東急不動産SCマネジメント様、ラインズ様、日水コン様、リリカラ様など、なんと「40社」を超える企業で、内定者研修・新入社員コンテンツの一部として、ご利用いただいております。
  
先だっては、JTさまのご協力のもと(同社の三島紀子さんに心より感謝いたします)、ワークショップの実践が記事になりました。下記をご覧くださいませ。

JTの内定者懇親会が教えてくれる、内定者同士の“つながり”の大切さ
https://xn--diamond-kc4f0b9lnf.jp/articles/-/316499

内定者の論理思考力、質問力などの工場、強みの発見、内定者同士の関係構築を、オンライン・オフラインで行えます。スライド、ワークシート、動画など完全完備。企業ごとに内製化してお使いいただけます。
     

    
立教大学経営学部 中原ゼミ、ゲームなどを活用した「内定者フォローワークショップ」を共同開発! ダイヤモンド社・ダイヤモンドヒューマンリソースさまから発売中!
https://jinzai.diamond.ne.jp/rp/prospective-employee-workshop/

 どうぞご高覧くださいませ!
    
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 職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
   

職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発) 
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
   
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【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
     
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
  
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061   
  
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【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます! 
     
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
   
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
  
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新刊「フィードバック入門:耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」絶賛発売中、13刷重版出来です!。AMAZON総合13位、1位(マネジメント・人材管理カテゴリー、リーダーシップカテゴリー)を記録!年上の部下、若手のトンガリボーイ、トンガリガール。職場には、多様な人々が集っています。難易度の高い部下育成に悩む管理職向けの新書です。どうぞご笑覧くださいませ。スピンアウト企画にDVD教材「フィードバック入門」、研修、通信教育もあります。こちらもどうぞご笑覧ください。
     

   
『フィードバック入門』スピンアウト企画
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
    
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【泣くな!新米管理職!】
  
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
  

  
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
  
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
    
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
「新人研修をアップデートするための5つのコンセプト」に基づいて開発された、中原が監修をつとめる新人研修プログラムです。全4回にわたって実施する「オンライン研修」と「現場での実践&振り返り」を往還することによって、新人期に直面する壁を乗り越え、トランジションを果たせるよう手厚くサポートできるようになっています。経験学習を習慣化するほか、ストレスマネジメント、フィードバック、ジョブクラフティングなどについて学ぶことができます。
  

Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
          
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短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/

    
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