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2022.5.30 07:45/ Jun

リモートワークで「デフラグされた日常」を生きていませんか?:「まとまった時間」と「隙間時間」!?

 ちょっと前のことになりますが、あるご依頼で、久しぶりに東京を出て、地方で仕事をしました。ほぼ2年ぶりに新幹線にのり、3時間ほどの時間を過ごすことになりました。
    
 家を出たときの僕は、
     
「久しぶりの、3時間は、とてつもなく、長いなぁ・・・。
 オンライン会議なら気合いいれれば、5本は入れられるわ・・・あんまり気が乗らないな」

      
 と心の奥底で思っていたところがあります。
    
「ああ、3時間無駄になったら、生産性が低いなぁ」
   
 とも。
   
 しかし、結論からいうと、まったくそんなことはなかった。
 久しぶりの新幹線3時間は、生産性が高い時間でした。
    
  ▼
   
 まず、10分、20分といった「細切れの隙間時間」ではなく「3時間まとまった時間」がとれた、というのが、とてつもなく大きいです。3時間のあいだ、あるひとつのことだけを集中して考え、構想することができた。
   
 これに対照づけて、我が日常を振り返ってみると、
   
 我がオンライン生活(リモートワーク生活)は、なんと、隙間時間が「ない」ことか!
  
 少しでも隙間ができれば、そこに会議やら打ち合わせが入り、書類仕事が入り、原稿の直しが入る。
  
 要するに、我が日常のオンライン生活では、
  
 ボーッとする時間が無い
  
 隙間時間が「デフラグ」されて
 細切れの仕事で埋め尽くされている

  
 のです。
  
(デフラグとは、ハードディスクなどの記憶装置で、データを記録している部分を、再配置し、隙間を減らして、最適にアクセスできるようにすることです。無駄な隙間がなくなって効率が上がります)
    
 これに対して、移動時間というのは、埋めようがない。
   
 さすがに隣に他人がいるのに、オンラインで会議をするわけにもいかないし、(たまたま)窓側に座ったので、あまり席をたつわけにもいかない(笑)。
 近くに寝ているひともいるので、本気の本気で、キーボードをガシガシたたいて、パソコンで仕事をしまくるわけにもいかない(笑)。起こしちゃうと、悪いからねぇ。
         
 かくして、
    
 強制的に、はからずも、結果として、ひとつのことだけを
 3時間、まとまって考えることができちゃうのです。

      
 結論、生産性が低いように見えて、生産性が高い。
 よい時間でした。
    
  ▼
  
 今日は「まとまった時間」を強制的にでもとることの大切さについて書きました。
 おそらく、わたしを含め、多くのひとびとの生活は、
    
 バッティングセンターで、向かってくるボールを、ただただ無心に打ち返すような日々
   
 あるいは
    
 極限に至るまで、隙間時間を減らすべく、猛烈デフラグをかけられているような日々
   
 なのかな、と勝手に妄想します。
   
 「隙間時間」はどれだけ合計しても「まとまった時間」にはなりません。10分、20分の細切れ時間を、いくら合わせて、3時間にしたとしても、それは「まとまって、まるまる、3時間を過ごすこと」とは「価値」が異なるのです。
   
 無駄な出張は減らす方がいいですが(個人的に、出張は好きではありません)、
  
 たまには旅に出よ!
  
 も、悪くないなぁ・・・と思いました。
  
 そして人生はつづく
       
 ーーー
    

  
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