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2021.10.28 09:03/ Jun

踊る大捜査線の「名台詞」が講演でウケなくなっている理由:「みんなが同じテレビ番組を見ること」の終焉!?

「事件は会議室で起きてるんじゃない。事件は、現場で起きてるんだ!!なんていう、名言がありましたね。そうです。テレビ番組、踊る大捜査線の青島刑事ですね。あの番組、面白かったですよね・・・さて、今日の講演では・・・・」
  
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 仕事柄、僕は、講演などをさせていただくことがあります。
 講演のなかで、たまーに、僕は、こんな風に、過去のテレビ番組の名台詞などを紹介しつつ、ひとと組織についてお話しすることがあります。
  
 誰もが知っているテレビ番組の名台詞などは、懐かしさもあるのでしょう、そこに居合わせるビジネスパーソンに「クスッ」とした笑いが生まれ、場があたたまります。
  
 しかし、最近、これがあまり「奏功」しなくなっている実感があります。
 それは3つの理由からです。
  
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 ひとつめの理由。それは、もっともシンプル。
 踊る大捜査線などのテレビ番組が放映されていたのは、1997年のこと。もう24年もまえのことです。だんだん、みんな、それを忘れてかけている、ということ。
  
 昨日のわたしは「他人」
  
 というくらいに、忙しい毎日を過ごしておられる方もいるでしょうから、それもやむなきことなのかもしれません。テレビ番組の台詞など、ちゃんと覚えているひとのほうがまれでしょう。
  
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 ふたつめの理由。
 それは、会場に居合わせる若いビジネスパーソンは、24年前のテレビを知らない、そもそも、番組放映時に「子どもちゃんや、赤ちゃんであった」ということです。
  
 とりわけ、これは大学では注意が必要です。今の大学生に、昔の番組はわからない。「踊る大捜査線って、なんですか、それは」という感じです。
 今の大学生が、幼児期をへて、物心つきはじめるのは、2000年代後半から2010年あたりでしょう。彼らに対する話題は、それ以降のものにすることが重要です。
  
  ▼
  
 みっつめの理由が、これが本質的で、ガクブルです。
  
 それは、
  
「今の時代は、みんなが見ているテレビ番組、というものが、そもそも、あまりない」
  
 ということです。
   
 かつてテレビが全盛だった頃。その頃は、お茶の間にテレビがおかれ、一家全員で、ひとつのブラウン管を共同注視していました。そこには、「一家団欒」があったのです。テレビ番組をネタに、家族があつまり、やりとりする場があった。
  
 家の外でも、みんなが、同じような人気番組を、同じ時間に見ていました。だから、人気番組が放映された次の日には、学校や職場で「テレビの話題」ができた。もちろん、そこで開陳された「名台詞」もみなが知っていたわけです。
  
 しかし、最近はどうでしょう。
  
 みんなが同じように、同じ時間に、テレビ番組を見る、ということは少なくなっているのではないでしょうか。
  
 たとえば、家庭においても、リビングルームにいても、ママは携帯でビデオの録画を見て、パパはパソコンで映画を見ていて、子どもたちは、リビングのモニタでYoutubeを見ている、のようなことが起こりえます。つまり、場所を共有していたとしても、そこには「一家団欒」がない。
  
 家の外ですら、そうなのですから、家族をまたげば、さらに「多様な視聴行動」になるはずです。
   
 多くのひとびとが、同じように人気のテレビ番組を、同じように見る習慣がなくなってしまっているので、「名台詞」もクソもへったくれもありません。こうした状況で、講演などで、たとえ自分が知っている「名台詞」を紹介したとしても、それを知っている人が、そもそも少なくなっているのですね。
   
 皆さんはいかが思われますか?
  
  ▼
  
 今日は、踊る大捜査線の話題をネタに、昨今の「メディア視聴行動」の多様性についてのお話をしました。
  
 あなたが、職場や学校で「昨日のテレビ」の話題で盛り上がったのは、いつが最後ですか?
  
 そして人生はつづく
     
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