NAKAHARA-LAB.net

2020.5.12 08:46/ Jun

リモートワークは「これまでのマネジメントの手抜き」を白日のもとに晒しただけ!? : 今、学ぶべきは「マネジメント」そのもの!?

 リモートワークでパコーンと成果をだす「マネジメント手法」ってありませんか?
 リモートワークにガツンと効く「リーダーシップ」って、ありませんか?
   
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 最近、このようなご相談やご質問を受けることが多くなっています。
  
 新型コロナウィルスの感染拡大によって、すべての業種・職種ではないにせよ、日々、すこしずつ、リモートワークやテレワークが実践されるようになってきているせいでしょうか。皆さまの関心が、そのようなリモート環境下で奏功する「マネジメント手法」や「リーダーシップ」に集まっているのでしょう。
  
 もちろん、そのお気持ちにお答えしたいとは思います。
 しかしながら、脳裏では、どこかで、いささか、「もやもや感」を感じているのもまた事実です。
 今日は、朝っぱら、その「もやもや感」を皆様にお裾分けしましょう(そんなもん、いらんって?笑)。
  
  ▼
  
 僕が感じている「もやもや感」とは、
  
 リモートワークに特化した「マネジメント手法」って存在するのかな?
 リモートワークに特化した「リーダーシップ」って、ありえるのかな?
  
 という素朴な疑問です。
  
 もっと平たく言うと、
  
「リモートワークで必要になるマネジメント」って、「対面状況下における一般のマネジメント」をきっちり「やり切ること」だけじゃないの
  
 と思いますし
  
「リモートワークで必要になるリーダーシップ」って、「対面状況下における一般のリーダーシップ」をきっちり「発揮しきる」だけじゃないの
  
 と思ってしまうのです。
  
 むしろ、うがった見方をすれば・・・
  
 リモートワークは「管理職の平時のマネジメントの手抜き」を「白日のもとに晒した」だけ
 リモートワークは「管理職の平時のリーダーシップスキルのしょぼさ」を「白日のもとに晒した」だけ
  
 のようにも思えるのです。
  
 つまり・・・
  
 対面状況下であれば、たとえ管理職のマネジメントスキルやリーダーシップが「イケ」てなくても、職場のメンバーが「あうんの呼吸」と「空気を読んで」、何とかかんとかフォローやカバーをしながら、成果をだしていたものが、それがリモートワークによって不可能になってしまった。
  
 対面状況下とリモートワークを比べてみると、圧倒的な差異は「メンバーの仕事をしている様子・プロセスが見えにくい」ということにつきる。つまり、「あうんの呼吸」と「空気を読む」が難しい。だから、今まで、なんとかごまかしてきたもの、なんとかメンバーに甘えてきたものが露呈している。
  
 つまり「管理職の平時のマネジメントスキルの低さ・リーダーシップのしょぼさ」が露呈しただけのようにも思えるのです。
  
 もし、この仮説が正しいのだとすれば、
  
 管理職が学ばなければならないのは「リモートワークに特化したマネジメントスキル」ではなく「マネジメント」そのものだと思います。
  
 管理職が学ばなければならないのは「リモートワークに特化したリーダーシップスキル」ではなく「リーダーシップ」だと思うのです。
   
 皆さんはいかが思われますでしょうか。
    
  ▼
  
 今日は、最近、僕がモヤモヤしていることを、何とか言葉にしてみました。もちろん、オンライン化でのチーム研究として「バーチャルチーム研究」があり、同様のリーダーシップ研究領域に「e-leadership」があることは承知しています。
  
 しかし、それらの知見を見ていても・・・
  
 うーん・・・これって、対面状況下でも、そこそこおんなじ事が言えるんでないの・・・
  
 と思ってしまいます(すみません・・・もちろん、細かい違いは多々あるのですが)。
  
 おそらく予想ですが、ここから半年の間に、それでも
   
 リモートワーク・マネジメント
  
 とか
  
 リモートワーク・リーダーシップ
  
 とかいう講座や研修が増えていくのでしょう(笑)。ぜったいに増えます。
 しかし、それらが「マネジメント一般」や「リーダーシップ一般」と本質的に何が異なるのか・・・注視していきたいものです。
  
 まぁ、こうも言えるのかもしれません。
 リモートワークは「きっかけ」です。
  
 今、地に足をつけて、マネジメントを学ぼう
 今こそ、地に足をつけて、リーダーシップを学ぼう、と。
  
 そして人生はつづく
  
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