NAKAHARA-LAB.net

2020.3.24 09:15/ Jun

テレワークをしていると「白日」のもとに晒されるITスキル、マルチタスク能力、日々の運動不足!?

 日本の正社員の13.2%(推計360万人)がテレワークを実施!
  
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 昨日、パーソル総合研究所の方から、テレワークに関する2万人の調査の結果が発表されました(小林さんお疲れ様です!)。時期をとらえた、素晴らしくタイムリーな調査だと思います。
   
 同調査によりますと、下記のようなことがわかっています。
 詳細は、どうぞ同調査のWebページをご覧ください。
  
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・正社員におけるテレワーク(在宅勤務)の実施率は13.2%、そのうち現在の会社で初めてテレワークを実施した人は半数近い47.8%
  
・国勢調査※を基に簡易的に推計すると、約360万人の正社員がテレワークを実施しており、そのうち約170万人が初めてという結果になる。
  
・テレワークを実施していない人のうち、「希望しているができていない」割合は33.7%。
  
・3大都市圏でみると、テレワークが命令・推奨されている割合は、東京圏で32.7%、名古屋圏で17.4%、大阪圏で20.2%となった。
  
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新型コロナによるテレワークへの影響について、全国2万人規模の緊急調査結果を発表:急増するテレワーク。正社員の13.2%(推計360万人)がテレワークを実施
https://rc.persol-group.co.jp/news/202003230001.html
  
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 上記のように、テレワークを実施している企業は、まだまだ一部とはいえ、それは急速に拡大しているような気もします。
 かくいう僕も、テレワークを実施することが多く、自宅から仕事をしていることが多くなりました。
  
 そのうえで、テレワークを1ヶ月ほどやってみて、この仕事のやり方は、人々がもっている、いろいろな「潜在的な能力」を「白日のもと」に晒してしまうな、と思っています。
  
 まず、すぐに思うのは、テレワークで顕在化する「ITスキルやIT環境の違い」です。ITに対する知的態度の違いといってもいいかもしれない。
  
 スムーズにテレビカンファレンスができる人と、そうでないひと。
  
 安定的なIT環境を整備できているひとと、そうでないひと。
  
 わからないアプリに対しても、果敢に使い方をマスターしようとする人なのか、そうでないひとなのか?
  
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 テレワークを行っておりますと、そういう「個人の違い」みたいなものが、すぐに顕在化します。
  
 いつも音声のトラブルを起こすひとは、いつもトラブルをおこす。
 いつもアクセスできないひとは、やはりアクセスできない。
 いつも準備が足りていないひとは、やはり準備が足りないのです
   
 そして、そういう方に限って、
   
 テレワークでは、本当の課題解決はできない
   
 とか
  
 テレワークでは、心の通ったコミュニケーションはできない
  
 とか
  
 テレワークでは、チームワークが発揮できない
  
 とか、言っていたりするとか、しないとか(笑)。
 まことに「香ばしい言い訳」です。
  
 思わず、ならば、対面状況下では「本当の課題解決ができていたのか?」「心の通ったコミュニケーションはできていたのか」「チームワークは発揮できていたのか?」と思ってしまいますが・・・まぁ、そろそろやめましょう。
    
 おそらく、今、わたしたちの目の前にあるイシューは
    
 オンラインの方がよいのか、オフラインの方がよいのか?という「選択」なのではない

のだと思います。
  
 オンラインとオフラインを比べることや、その優劣を比較することに、さしあたって今は、意味がない。
  
 差し迫る危機のなか、
  
 オフラインよりもオンラインの方が制約はあるのは百も承知だけど
 この状況下だと、オンラインを活用することも検討しなきゃならない
 で、その先に、どんな工夫をするの?あなたはどんな準備をするの?
仕事を達成するのに必要なITスキルを学び直すの、学び直さないの?
  
 ということだと思うのです。
  
 とにもかくにも、テレワークは、ITに向かう、そのひとごとの能力、スキル、態度みたいなものは、白日のもとに晒してしまうな、と思います。
  
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 もうひとつ、テレワークが白日のもとに晒してしまうものは「マルチタスクのスキル」です。
  
 業種業態にもよりますが、わたしのような仕事のテレワークでは(企画職・研究職系でしょうか・・・)、グードラ(Google Drive)で送られてきたパワポを広げ、ドロボ(Dropbox)に入ったエクセルを見ながら、ZOOMで会議して、携帯にも電話がかかってきて、しかも、ひそかにZOOM会議の根回しを、ひそかに「Slack」でやっていたりします。
    
 ZOOMをやりながら「Slack根回し」ができるか、どうか(笑)
  
(根回しと言う言葉だけをひっ捕まえて、キレないようにしてくださいね。中原は根回しが重要だって言ってた、ということじゃないよ。これは、たとえです、たとえ。)
  
 というのは冗談ですが、要するに、ものすごく多くのタスクを同時に処理していく能力のあるひとと、そうでない人は、テレワークを行っていると顕在化するような気がします。
  
 テレワークをしているひとがよく言う台詞のひとつに
  
 テレワークをしていると「モニタ」があと2枚くらい欲しくなるんですよね
  
 というものがあります。
 それだけ多くのアプリを駆使して、仕事をしている、ということですね。
  
  ▼
  
 今日はテレワークについて書きました。
 テレワークをやってみて顕在化したのは
  
 日々の運動不足
  
 というのも、またリアルなことかもしれません。ランチタイムのときなど、近所を一周ランニングしてみても、いいかもしれませんね。
  
 みなさま、どうかご無事な毎日を!
 そして人生はつづく
   
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