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2019.9.5 20:17/ Jun

金融庁 × きらぼし銀行 × 立教経営中原ゼミ2年生の「産官学共同研究プロジェクト」がはじまりました!:心ゆくまで知的に暴れろ!

 自分たちのゼミの未来は、すべて自分たちで決める
 ゼミで生まれた知見は「社会」にしっかり「お届け」する
   
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 以上2つは、立教大学経営学部・中原ゼミのゼミ運営方針の一部です。
  
 第一の「自分たちのゼミの未来は、すべて自分たちで決める」に関して、僕は、ゼミ生に「学ぶ活動」を指示しません。「何をしろ、あれせい、これせい」とは、一切言いません。
  
 基本的には、ゼミ生には、自分たちで、じっくりと話し合い、「自分たちが何をしたいのか」を決めて欲しいと思います。「人材開発・組織開発・リーダーシップ開発」にまつわる「知的な活動」であれば、何をしてもOKです。心ゆくまで「知的」に暴れてほしいと願います。
  
 もちろん「放置」もしません。
 求められれば抗議もしますし、行き詰まったときはお助けします。
 アドバイスを求められれば、最大限、それにあたります。
  
 しかし、教員である僕自身は「ゼミの未来」を決めません。
 極端なことをいえば(比喩的に述べるならば)、ゼミ生がみなで合意し「明日解散する」と決めるのならば、そうすればいいとすら思っています。
  
 自分たちの未来は、自分たちで自己決定しなさい。
  
 ひいていえば、個人として
  
 自分の未来は、自分で自己決定できる人になりなさい
   
 これがいつも申し上げていることです。
  
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 第二の「知見を社会にお届けする」も、いつも「耳タコ」のように繰り返していることです。
   
 中原ゼミの学生は「人材開発・組織開発・リーダーシップ開発」という経営学上、もっとも「泥臭い研究テーマ」を選びました。そして、こんな泥臭い研究テーマなのだから、街にでて、ひとびとの課題解決のプロセスにしっかりと関わってほしいのです。「学んでから動く」のではなく、「動きながら学ぶ」のです。
  
 かつて寺山修司は「書を捨てて、街に出よ」といいました。
  
 寺山の知的業績にオマージュをささげつつ、僕は、しかしながら、この言葉をただちにゼミ生におすすめすることはできません。
    
 中原ゼミ生の皆さんに申し上げたいのは、
  
 書を持って、街に出て欲しい
  
 ということです。
  
 日本は「狭い」というけど、「広い」。
 市井にいる多くの人々と出会い、そこでともに課題解決にとりくみ研究をしてほしいと思います。そして、その知見は、社会のひとびとに「お届け」してほしい。自己満足に終わるような研究をしてほしくない。しっかりと社会のため、かかわってくれた人々のために「お届けするところ」までやりきって欲しいのです。
  
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 かくして、今年の中原ゼミ2年生の活動が、いよいよ本格化してきました。
 今年の2年生は、なんと「産官学の共同研究」に取り組むことを決めたようです。最初、ゴールデンウィーク頃にはじめて話をきいたときは、耳を疑いました。しかし、紆余曲折をへて、今、それがかたちになりはじめています。
    
 今年の2年生は、金融庁の皆様、そして、きらぼし銀行のみなさまのご協力を得まして、両組織とのコラボプロジェクトを立ち上げました。両組織のみなさまには、本当にお忙しいところご指導・ご鞭撻をいただき、心より感謝いたします。
  
 今年の中原ゼミ2年生は、
  
 金融庁様・きらぼし銀行様(民間企業)2つの組織をフィールドとさせていただき、4つのテーマに関する「若手の人事課題、人材マネジメントの課題」を調べ、その課題解決のあり方を両社に・社会にも提案・共有すること
  
 をめざすとのことです。具体的には、ここから課題解決に取り組み、来年2020年の3月に大規模なイベントを企画しているようです。
  
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 先日、このプロジェクトのキックオフミーティングが開催されました。
 このキックオフでは、ゼミ生がプロジェクトの企画趣旨についてプレゼンをさせていただきました。ゼミ生のプレゼンをはたで聴いているのは、本当にハラハラするものです。とてもよく頑張っているのです。でも、一番ハラハラしているのは僕自身である、というのが「謎」です。
    
 そのあと、金融庁さま、きらぼし銀行の代表者の方々から、このプロジェクトにかける期待がのべられ、さっそく、グループに分かれて、課題解決の方向性を議論し始めました。早速、プロジェクトの方向性につき、さまざまなフィードバックをもらっているようです。
  
 金融庁 × きらぼし銀行 × 立教経営中原ゼミで取り組む課題解決のテーマは・・・
  
 1on1(上司部下関係・Leader Member Exchange)
 男性のキャリア
 女性のキャリア
 早期離職
   
 となったようです。
   
 しっかりと社会に知見をお届けできる「課題解決」になるよう、願っております。
  
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 最後になりますが、このプロジェクトをすすめるにあたり金融庁のみなさまには本当に貴重な機会をご提供いただきました。金融庁の石田晋也参事官をはじめとして川口英輔さん、戒田善一さん、岩元弘考さん、宮内文さん、松尾祐一朗さんに心より感謝いたします。お忙しいところ、本当にありがとうございます。
  
 また、きらぼし銀行の吉田裕幸さん、岩城大輔さん、小川恵さん、吉川満さん、小畑さおりさん、原啓太さんにも心より感謝いたします。本当にありがとうございます。中原ゼミでは「フィードバックはごちそう!」と言い聞かせております。忌憚のないご意見を学生たちにいただけますと幸いです。
  
 これから数ヶ月に1度くるフィードバック会。
 来年3月の本番がとても楽しみです。
  
 そして人生はつづく

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