NAKAHARA-LAB.net

2019.4.25 07:06/ Jun

「大人の学び」を阻害する「5つの壁」を打破せよ!:日本初400名が参加する「オンライン読書会」を実施!

 先だってブログでお伝えさせていただきましたように、小生、志のある皆さんと「組織開発」を学ぶ「オールニッポン・オンライン読書会」に挑戦するという「新たな試み(暴挙)」に挑戦させていただくことになりました。
  
【組織開発の探究・オンライン読書会・参加申し込みページ 】
https://peatix.com/event/616481/view?k=f02d1ae51f05cc860268bad93388e9048c62b0ef
    
 先日、中村和彦先生とともに上梓させていただいた「組織開発の探究」という400ページを超える書籍を「素材」にしながら、オンラインで400名の方々と読書会を実施するということにチャレンジいたします。
  
 昨日は、その仮テスト(各会場をつないでの試験)が実施されました。今、主宰企業のダイヤモンド社の藤田さん、永田さんを中心に「オンライン読書会」の準備が着々と進められております(心より感謝です!本当にありがとうございます!) 
  

  
 昨日の接続チェックでは、海外、各地方から接続して、問題なく会話ができることを確認しました。
  
 マイクコントロールをいかに行うか
 400人を5人ずつのグループに分けて感想を述べ合うスモールグループをつくるにはどうするか?
  
 などなど、たくさんの実務的課題はございますが、まぁ、何とか実現はできる、というところまで打ち合わせを行うことができました。接続チェックにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
    
 ふぅ。
  
 この試み、日本全国各地で、「組織開発の探究」をお読みいただく勉強会が開催されます。各地のリーダーの皆様には、お忙しいところ恐縮ですが、あらかじめご担当を決めさせていただき、その章のレジュメを作成していただけることになっています。
  
 そして、こののち、デジタルの学びの場(ZOOM)上に400名の方々にご参加いただきます。参加者の方々は、各章のまとめ(レジュメ)をゲットできるとともに、さらには、なかなか聞くことができない質問を行うことができます。もちろん、僕も参加させていただきます。
  

  
  ▼
  
 この試み、本当にうまくいくかどうかはわかりません。個人的には、このオンライン読書会は、参加者の皆様とつくりあげる「大きな社会実験」であると思っています。
 この世は「短期的な成果を追い求める風潮」がさらに強まっている。そのようななかで、最も失われているのは「実験マインド」です。誰もやったことがない「たくさんの実験」がなされる社会を、わたしたちは、何としても、維持しなくてはならない。今回の試みは、そういう「社会実験」のひとつです。
  
 もちろん、全力は尽くしますが、参加者の方々の多くのご協力が必要であることは言うまでもありません。なにせ、400名でオンライン読書会を実施した例は、日本にはございません。これは「日本初の試み」なのです。
   
 今回学ぶべきコンテンツは「組織開発」です。
 が、ぼくは、それ以上の意味を、今回の「オンライン読書会」に見いだしています。
 それは、こうしたデジタルでのオンライン読書会が、下記の大人の学びを阻害する「5つの壁」を埋めるメディアとして今後広まっていくのではないか、という予感です。
   
1.地方と都市の「壁」を乗り越える
 まず、勉強会や読書会は、どうしても都市に偏在しています。一般に、都市には、多くの「学びの機会」がございますが、地方には限られているところもございます。この問題を僕は研究者として、いつも心苦しく思っていました。オンライン読書会で、全国各地からアクセスできれば、この「壁」を乗り越えることができます。
  
2.時間の「壁」を乗り越える
 社会には学びたくても、土曜日や日曜日は、どうしても、学べないひとがいらっしゃいます。今回用いるZOOMというメディアでは、平日夜にオンラインで学ぶ機会をつくりだすことができます。また平日夜にリアルタイムの参加は無理でも、すべてのセッションは「録画」されています。後日、オンデマンドで自分の好きな時間に見て、視聴することができるはずです。
  
3.著者・編集者・読者の「壁」を乗り越える
 一般の読者の方からすると、著者や編集者という存在は、どこか縁遠いものではないかと思います。こうしたメディアを用いることで、ふだんは縁遠い存在の著者や編集者と密接にかかわりながら、学ぶことができます。
 著者や編集者も、こうした試みの果てには、中長期に自分の仕事が変わってくる可能性があります。かつて「オーサーシップ(著者性)」とは「文を書くこと」でした。しかし、これからの「オーサーシップ」は、「文章を書き、読者と交わること」になる可能性がございます。もちろん、「編集者」も同じです。かつての「エディターシップ」は著者と伴走し、編集を為し、本を創ることでした。しかし、これからのエディターシップは「本をつくり、読者コミュニティを創ること」に変わる可能性がございます。
  
4.出版不況の「壁」を乗り越える
 これはわたしが言うことではございませんが、現在、出版業界は構造的な不況に陥っています。本をつくっても、なかなか売れず、多くが廃棄や絶版の憂き目にあっております。この状況は「大人の学び」にとっては深刻です。「大人の学び」のうち、やはり本を読み、知識にふれる、というのは大切なことです。
 しかし、構造不況を放置していけば、本というメディア自体が沈降してしまい、学びたくても、学べない状況が生まれかねせん。今回の参加者にはアンケート調査を実施しております。参加者のうち、約25%の方々は「これから本を買う」ということになりました。なかなか売れない?お堅い本を売るという手段においても、この試みは有効なのではないでしょうか。
  
5.イベント・セミナー・研修中心の「学びのスタイル」の壁を変革する
 デジタルメディアで、一定のクオリティで数百名が学べるということになってしまえば、数多く実施されている、世の中のイベント・セミナー・研修のあり方や存在意義が、根本から問い直されることになるのではないでしょうか。オンデマンドでも、スモールグループをつくってインタラクションを行える、というのであれば、わたしたちは「なぜ集まらなければならない?」のでしょうか。この実験は「学びのスタイル」の「壁」を乗り越えるチャンスをもっていると思います。
    
 あくまで「よい意味」で使っていますが、これは「実験」だと僕は思っています。
 これは多くの人々が参加してなしとげる「壮大な社会実験」なのです。
  
 文系の僕らには「試験管」は振ることはできない。
 しかし、僕らには、自分の身をもって「社会実験」を為すことができる(笑)
  
 学びたくても学べないひとはたくさん世の中にはいます。
 こうした「学びの現状」を打破するテクノロジーとして、非常に注目しています。
  
 皆さんも、こうした思いを胸にしつつ、わたしたちと「同じ船」に乗っていただき、このオンライン読書会を成し遂げてみませんか?ほんの、もう少しだけ残席があるようですよ。会場?でお会いできますことを楽しみにしています。
  
 最後になりますが、ダイヤモンド社の藤田さん、永田さん、ZOOMに大変お詳しい田原さんにはサポートをいただきありがとうございました。
  
 また「組織開発の探究」に関する読書会を各地で実施いただいている岸智子さん(福岡)、塩川太嘉朗さん(大阪)、矢上清乃さん(名古屋)、新倉昭彦さん(東京)、小林一木さん(東京)、岸智子さん(福岡)、吉田創さん(東京)らのご協力にも心より感謝しております。各読書会にご参加いただいている会場の皆様にも感謝です。そして、400名の皆様にも御礼を申し上げます。
   
 まだすこしだけ残席があるようです!
 うまくいくかどうかはわかりません(!?)。
 しかし、もちろん、全力は尽くします。
  
 あなたも「新たな実験」に参加してみませんか?
   

  
【組織開発の探究・オンライン読書会・参加申し込みページ 】
https://peatix.com/event/616481/view?k=f02d1ae51f05cc860268bad93388e9048c62b0ef

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