NAKAHARA-LAB.net

2018.9.3 06:50/ Jun

「ありがとうございます症候群」と「お友達なぁなぁ病」にご注意を!:日本全国に蔓延する「フィードバック拒絶」

 先生、うちには困った部下がいましてね。僕が、何か、耳の痛いことをいうと、すぐに「ありがとうございます!」って、とても威勢良く感謝するんです。「ありがとうございます!、失礼します!」っていって、すぐにいなくなっちゃう。で、おんなじミスを繰り返す。こういうのは、どうしたらいいですかねぇ。
  
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 先だって、あるところでお逢いした管理職の方が、こんなことをおっしゃっていました。まことにお疲れ様でございます(笑)。心中お察し申し上げます。
  
 端的にこの症状を描写すると、この方の部下の方が罹患なさっているのは「ありがとうございます病」ですね(笑・・・そのまんま)。耳の痛いことをフィードバックしようとすると、威勢良く「ありがとうございます!」と言い切って、「失礼します」で逃げる。まことに申し上げにくいのですが、「失礼します症候群」も併発している。
  
 要するに、上司からのフィードバックを「拒絶」し、はやくも、その場から逃げようとしている、ということなのかな、と思います。根本的には、部下の方は、いわゆる「フィードバック拒絶」という状況を選択なさろうとしているのかな、と思います。 
  
 上司の方もすこしお悩みのようでしたので、状況をより詳細にうかがって、対応策を考えてみることにしました。
 すると、この上司の方は、フィードバックをする際、いつも廊下やオフィスなどで部下と偶然出会ったときに、耳の痛いことをおっしゃっていることがわかりました。「出会い頭のフィードバック」ですので、相手にも予定があるかもしれないし、またいろいろ理由をつげて「逃げやすい」(笑)
   
 なので、本当に大切なことをいうときには、きちんと時間と場所を「改めて」、会議室とかでおっしゃってはいかがですか?という風になりました。時間も限られていましたので、そのような解決策しか見当たりませんでしたが。

 まずは、そこからでしょうか・・・どうなりますことやら。
      
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 仕事柄、部下育成のことやフィードバックのご相談やボヤキを受けることが多々ございます。先ほどの方は「ありがとうございます病」と「失礼します症候群」を併発している部下にお悩みでしたが、最近では他には、「お友達なぁなぁ病」に悩む方がいらっしゃいました。
   
 聞くところによると、その方のつとめる組織はベンチャー企業で、いわゆる上司ー部下の「権力的な縦の関係」は存在していない。上司も部下も「お友達」のように接しているのだそうです。
   
 しかし・・・仕事をしていれば、耳の痛いことを言わなくてはならないときもある。じゃあ、こういう場合はどうするか。その方が悩まれていたのは、こういうことでした。
   
「お友達なぁなぁ病」は、あくまで個人の実感ですが、企業サイズの大きくない企業、IT企業、NPOなどで多い気がいたします。
  
 まぁ、こちらもその状況を詳細に伺わなければ対策をともに考えていくことはできないのですが、やはりもっとも基本になるのは、1)日時や場所を改めること、2)コミュニケーションのモードをフィードバックモードにかえること、3)上司として言わなくてはならないことはしっかりということ、しかないのかな、と思います。
  
 まずは、そこからでしょうか・・・どうなりますことやら。
   
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 日本全国の津々浦々には、さまざまな「フィードバック機能不全」「フィードバック拒絶」の事例が、あふれています。
  
 みなさんの会社には「ありがとうございます病」や「失礼します症候群」や「お友達なぁなぁ病」が蔓延していませんか?
  
 皆さんの会社に蔓延しているのは、どんな症候群でしょうか?
  
 そして人生はつづく
  
  ーーー
     
新刊「実践!フィードバック」が重版2刷決定、前書「フィードバック入門」は11刷、もうすこしで4万部にいたる勢いです。耳の痛いことをいかに部下に通知し、そこから立て直しをはかることができるか。全国各所の管理職研修で用いられています。はじめてリーダーになる方、管理職になる方におすすめの2冊です。どうぞご笑覧くださいませ!
      
 
    
DVD『フィードバック入門』
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
   
 最近、「フィードバック入門」のオーディオブックも発売になりました。オトバンクaudiobook.jpで音声をご購入いただくことができます。どうぞご利用くださいませ。
  
オトバンク「フィードバック入門」
   
「実践!フィードバック」の韓国語版が発売になりました!日本では発売されていないのですが、もし韓国でお見かけの際には、手にとっていただけますと幸いです!
  

  
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