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2018.6.29 05:42/ Jun

うちの上司がやっているのは「フィードバック」じゃなくて「フィードアタック」なんですよ!

「先生、何とかしてくださいよ。まだまだ会社の中には、フィードバックは浸透していないですね。フィードバックじゃなくて、フィードアタックなら、たくさんありますけど(笑)うちの上司がやっているのは、完全に、フィードバックじゃなくて、フィードアタックですよ(笑)」
    
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 ちょっと前のことになりますが、卒業生と、ばったり都内であって、すこし話し込んでいたら、こんな話をしてくれました。それにしても、面白いこと言うね。
  
 うちの上司がやっているのは「フィードバック(feedback)」じゃなくて「フィードアタック(feedattach : 攻撃:造語ですね)」とは(笑)
  
 笑いごとじゃないんだよな(笑)
 フィードアタックされる方としては、たまったもんじゃないですけどね(笑)。
   
   ▼
   
 先ほどの卒業生曰く、なぜ、自分の上司の行うフィードバックが「フィードアタック」になってしまうか、というと、それなりの理由がありそうだ、とのことです。
   
 ひとつに、3分とか5分で、フィードバックを行おう、としていること。
 ま、上司も忙しいのかねぇ・・・でも3分じゃ無理かなぁ。カップラーメンじゃないんだから(笑)
  
 自分のいいたいことを、数分間という限られた時間で、マシンガンのように相手に「ぶっ放す」だけなので、フィードバックではなくて、フィードアタックになってしまう。
    
 ふたつめに、「フィードバックされる側と対話する姿勢」が欠けていること。
 本来ならば、フィードバックとは、
  
 1.耳の痛いことを情報通知すること
 2.相手と対話を行い、相手のパフォーマンスを立て直すお手伝いをすること
  
 なのですが、ついつい2の「対話と立て直し」が失われる。よって、マシンガンで玉をぶっ放したあとに、言われた方が「ハラオチ」することもなければ、そこから這い上がることもないので、フィードアタックになってしまう。
  
 みっつめは、大変興味深かったのですが、そもそも上司が「部下に勝とうとしていること」
  
 どうやら、彼の上司は、情報をなるべくたくさん集めて、部下を「やり込めること」や部下を「ギャフンと言わせること(ギャフンというひとを見たことがないですが・・・)」が、フィードバックだと思い込んでいる。
 部下をやり込め、部下をギャフンと言わせることが、フィードバックなので、フィードアタックになってしまう、ということでした。
  
 いかがでしょうか?
  
  ▼
   
 今日はフィードバックのお話をしました。
  
 今、ちょうど、「女性の視点からみなおす人材育成入門」(ダイヤモンド社、近刊:中原淳+トーマツイノベーション)という本の校正の最終段階に入っていますが、女性リーダーや管理職にとっても、男性リーダーや管理職にとっても、部下を動かすポジションについたときの「つまづき」は、「フィードバックがうまくできない」ことにあるという知見がでていますね。
        
 皆さんの上司がやっているのは「フィードバック」ですか?それとも「フィードアタック」ですか?
   
 あなたがやっている「フィードバック」は「フィードアタック」になっていませんか?
    
 そして人生はつづく
  
 ーーー
  
【日本のリーダーシップ教育の「夜明け」である】 
新刊「リーダーシップ教育のフロンティア」(同僚の舘野 泰一先生・高橋 俊之先生のご両名が編著、中原淳監修)が北大路書房から刊行されました。研修編と実践編の2冊同時の刊行で、リーダーシップ教育やリーダーシップ開発の最前線の知見、最前線の実践に出会うことができます。リーダー教育、管理職教育などに従事なさる方にとって、とても参考になる書籍だと思います。下記に推薦文をたまわっております(心より感謝いたします!)。どうぞご笑覧くださいませ!
   
  思い切り若い10代からリーダーシップの世界に入門しよう
  そんなリーダー育成がこの時代の最先端
  神戸大学大学院経営学研究科教授/金井壽宏
   
  アカデミックな世界にリーダーシップのヒントがあった
  ヤフー株式会社常務執行役員/本間浩輔
  
  すべての人のためのリーダーシップ教育の最前線ここにあり
  京都大学教授/溝上慎一
  
  社員の力を引き出す影響力の要諦が学べる
  株式会社サイバーエージェント取締役/曽山哲人
  
 
  
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