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2022.7.20 08:05/ Jun

「40年ギャップ」に囚われている親の「時計の針」は、止まって1ミリも動かない!?

 教育業界には「40年ギャップ」という言葉があります。
   
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 40年ギャップとは、我が子を育てる親が、ついつい、囚われてしまう「ギャップ」のことです。深い自戒をこめて申し上げますが、多くの親は(おそらく、わたしも含めて)、この「40年ギャップの囚人」です。
   
 たいていの親は、20年前の「自分の子ども時代」から「時計の針」が止まっています。20年前の「自分の子ども時代の経験」を判断材料として、そのときの経験から、自分の子どもに向かい、子どもを育てます。
   
 だから親の時計は「20年遅れています」
  
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 一方、親は、時折、こんな言葉を口にするはずです。
  
「あんた、将来(20年後)、大人になってから困らないように・・・の勉強しときなさい。暗記しときなさい」
  
 つまり、親は「20年後の世界」を勝手に妄想して、子どもにあれこれ指導をします。おそらくは「今、現在の自分の置かれている境遇」を判断材料にして「20年後の世界」に自分の子どもが困らないように、世話を焼きます。
  
 しかし、たいていの場合、「20年後の世界」は「今、現在の世界」とはまったく異なっています。テクノロジーも変わっていますし、社会情勢、環境も変わるでしょう。大きな企業は色あせ、大学のかたちも変わっているかも知れない。親の考える「一流」は「一流」ではなくなっているかもしれません。
  
 親のもつ「20年後のイメージ」は歪んでいることが多いものです。
  
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 結局、親は「過去」にとらわれ(20年前)、現在をもとに考えた、勝手気ままな「未来イメージ」(20年後)にドマハリしながら、「40年のギャップ」のなかで子どもを育てます。これが「40年ギャップ」です。
  
 親だから「子どものことはすべてわかっている」と考えるのは「イリュージョン」です。
 親だから「子どもの未来をすべて見通せる」というのも「イリュージョン」です。
  
 親だって「将来」はわからないし、「今という時代」に翻弄されるのです。
  
 親に可能なのは、「今、ここ」で起こっていることに敏感になり、子どもと対話しながら、ひとつひとつ、彼らがどのような選択をするかをサポートするだけです。
   
 結局、動くのは「子ども」です。
   
 親は、子どもの人生を、生きられません。
 子どもの人生を生きるのは、子どもです。
 親は、親の人生を生きるのです。
   
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 今日は、自戒をこめて親子のお話をしました。
  
 あなたは「40年ギャップ」にハマッていませんか?
 あなたの親は「40年ギャップ」にとらわれず、「今、ここ」を生きていますか?
   
 そして人生はつづく
   
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