2020.3.17 08:57/ Jun
「学びをとめない教室」の模索「も」同時に行っていかなければならないのではないだろうか?
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コロナウィルスの感染拡大は、まだまだ、とどまることを知りません。
「学び」という観点からいえば、現在、様々なところで、ZOOMなどのビデオカンファレンスシステムを用いた遠隔授業(Distance Education)の模索が本格化しています。
また、有志の方々、志ある企業の方々により、様々なオンラインの教材が公開されているところもあり、成果をあげているところもあります。
いくつかの大学も、対面型授業をキャンセルし、オンライン授業を模索する動きもでてきました。もちろん、まだまだ氷山の一角ですが、様々な試みが続いています。
スタンフォード大学が新型コロナ懸念で教室での授業を中止
https://jp.techcrunch.com/2020/03/07/2020-03-08-stanford-cancels-classes-in-response-to-novel-coronavirus-outbreak/
ロースクール、対面授業をキャンセル
https://www.abajournal.com/news/article/At-least-seven-law-schools-to-close-or-cancel-classes-because-of-coronavirus?fbclid=IwAR3piZ3z2zTxNJe-Evq5LMChDxru4KAeUCZEBfBAL0pHkM2Lxlt8E2E1IVA
ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学などが「全ての授業をオンラインに移行する」ことを決定
https://gigazine.net/news/20200311-harvard-mit-moving-online-classes/
また、さまざまな教育現場の皆さんが、ZOOMなどを用いて、遠隔授業の試行を行っております。多くの先生方の献身的な試行に頭が下がります。わたしも、なんとか、学びをとめないために何かできないか、と模索するひとりです。
これからZOOMでオンライン授業をしようと思っている教員の方へ
https://qingyuan.sakura.ne.jp/wp/?p=4121&fbclid=IwAR1Mnc1pRjDEn5SSRKvBBLO6zPFSniwuBaOziAW1iwoXBEJU1JzDNlV5YXE
ZOOMでワークショップを開催するコツ~参加者の満足度を高め、より充実した時間にするためにどんな工夫ができるか?
https://note.com/saito_lab/n/n574029d6e124?fbclid=IwAR1rMB2LrR8vgFeUF94wKgzTnPicKC5CKcjWd5J97KcUfxccFIvn7eZm98Q
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このように、今、教育現場は、この春からの授業をどのように維持・継続していくかで、日々努力が進んでいます
「学びたいと願う人々」の学びを、可能な限り保証する。まさに「学びをとめない」ということになるのだと思います。
わたしもそのような模索をするひとりですが、しかし、一方で、敢えて思うのは、
教育機関のすべての授業を「この先、ずっと、すべてオンライン化していく」のは、本当に実現可能・持続可能なのか、それを為すべきなのか
という疑問です。
もちろん、わかっているのです。爆発的な感染拡大が続くのであれば、やむを得ないことくらいは。
でも、ウィルスとの闘いは、おそらく長期化することが予想されます。オンラインという手段だけで、半年・1年・2年という事態を、本当に乗り越えることができるのか。このことに、やはり現場の教員のひとりとして悩んでしまうことも、また事実です。
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敢えて申し上げるのですが、とりわけ、感染拡大が急速に進んでいない地域においては、オンラインでの教育を模索するのと同時に、「なるべく教育機関を日常に戻していく努力」も行われなければならないのではないでしょうか。
(それが本当に大変な努力であることは、よくわかっているつもりです。圧倒的な不確実性のなかで、2つの物事を抱えることのストレスは、わたしも日々直面しております)
といいますのは・・・一口に授業っていっても、ものすごい数があります。それをすべてオンライン化できるのか・・・。
また、その授業の種類、授業の目的に応じては、どうしても、対面で行った方がよいものもあるかもしれません。
また、学生と言っても、学齢も、情報環境も、様々です。なかには、いろんな事情をもった学生がいます。オンラインにアクセス出来る環境をもっている学生、子どもばかりではないのです。
一般に、オンライン教育に関しては、下記のようなことが、その障壁として問題になります。
1)教育機関が対応可能かどうか
2)教員のスキルがついてくるかこないか
3)学生の情報環境、ICTスキルがついてくるかどうか
しかしそれらをクリアしたのだとしても、「授業の種別、授業の目的、学生の状況によっては、教室で、やはり行わなくてはならない」ものもあるような気もします。
そして、もし、それを「是」とするならば、もっとも重要なのは、通常の授業でやった場合でも「爆発的な感染拡大を引き起こさない努力と細心の注意」を払うかどうかだと思います。
今回のウィルスとの闘いが「長期化」するのなら、オンラインの可能性を模索しつつ、それと同時に「教育機関を日常に戻す工夫」をそろそろ議論しなくてはならないような気もしますがいかがでしょうか?
感染拡大が急速に進んでいない地域においては、様々な工夫を積み重ねていくことも、また必要なのかもしれません。
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わたしは医療の専門家ではないので、下記は、一般論ですが「爆発的な感染拡大」を避けるためには
1.距離の近さ
2.時間の長さ
3.換気
がポイントであると認識しています。
そうしますと(わたしは医療は素人ですけれども)「教室で行う場合」下記のような対応がありうるかと思うのですが、いかがでしょうか? ざっと思いつくものをあげてみました。
【水際対策】
1.教室の入り口で発熱チェックをして、そもそも感染者を入れない
2.のどの炎症、くしゃみなどがある場合は、登校を控える
3.マスクをする
4. 家族・近親者に感染・発熱が出た場合はこない
【距離の近さ対策】
5.ひとクラスのクラスサイズを小さくする
(クラスをわけて、講義を中継するなどもありうる)
6.少し離れて距離をおいて座る
【時間対策】
7.距離が近くなる時間をなるべく短くする
8.身体接触を行う時間をなるべく短くする
【換気対策】
9.換気を常に行う(窓と廊下をあける)
【感染対策】
10.教室に消毒液を配置して、手を消毒してから入る
11.一日一度、机の上などを消毒する
12. 頻繁に手洗いなどを行わせる
もちろん、これだけやっても、リスクゼロにはなりません。
リスクは、必ずつきまといます。
そして対策には、それぞれ実現可能性とコストがついて回ります。
リスクを鑑み、何をどこまで、どれだけのコストをかけて、やるか。
現場は、そういうことで悩んでいるように思います。
上記にあげた以外にも、対策としては、そのほかにもいろいろあるとは思いますが、皆さんはどう思われますか?
学びの現場がいかにあるべきか、ぜひ、さまざまな知恵を出して行ければとよいのではないかと思います。
コロナウィルスの感染拡大は、まだまだ余談を許さない状況です。
世の中に、なるべく早く平穏がおとずれることを願っています。
そして人生はつづく
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■4月以降の新入社員教育に関する緊急アンケート結果報告はこちらからダウンロード(PDF)■
https://www.nakahara-lab.net/blog/wp-content/uploads/2020/03/2019_newcomer_survey.pdf
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