2019.4.5 06:49/ Jun
先生、「大人の学び」が大切だってことはわかるんです。
でも、大人は、「何」を学んだらいいのですか?
先生、「学びなおし」とよく言うじゃないですか。
ところで、わたしは、「何」を学んだらいいのですか?
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「働く大人の学びの教科書」という本を上梓させていただいたせいなのでしょうか、最近、このようなご質問を含む取材を、メディアなどでお引き受けすることがおおくなりました。
拙著や、僕の考えにご注目いただけたことは、誠に嬉しいことです。最近の現代社会では、「大人の学び」が注目されているのだな、と感じますし、そのことに、まずは心より感謝したいと思います。
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しかし、一方で、「何を学んだらよいのですか?」というご質問が毎日、毎回、繰り返されることは、「複雑な思い」がいたします。
なぜなら・・・僕には、ひとつの「壮大な疑念」が生じつつあるのです。
それは・・・
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ニッポンには、人生において「何を学ぶか」を自分で決めた人は極めて少ない
のではないか、という疑念(妄想)です。
もうすこし踏み込んでみるならば、
「何を学ぶか」を考えずに、「偏差値」という輪切りの「一番高いところ」にある学習内容を学んできた
のではないだろうか。
親やランキングの言われるがまま、
「ベルトコンベア」に乗るように教育機関を選び、「学ぶ内容」を「他人」に決められてきた
のではないか、とすら思うのです。
つまり「何を学ぶか」を自分で決めてきた人は、極めて少ない。
だから、大人になってはじめて「学べ」と言われても、面食らってしまい、決めることができない。
たとえば、偏差値のすこし高いA大学と、すこし下のB大学。
B大学には、すこしは自分が興味がもてる学部があったけれども、結果として、進学するのは偏差値の高いA大学。親や親戚のいうがままに、そこで、「自分が手の届く学部」に入り、さして「興味のもてないこと」を学んでいた。以上は妄想でしかありませんが、具体的にいえば、こういう状況が日本の津々浦々で起こっているのではないか、と。
(医療や技術などの専門職についた方は、これに該当しない場合がございますので、そこは割り引いて読んでください)
しかも、これに輪をかけているのが、
学ぶときに、自腹で支払ってきたひとは、極めて少ない
という事実です。
大学生の時分には、やむを得ないのかも知れませんが、親が学費を支払ってきた。すると、これら2点の論理的帰結は、どうなるか。
「学ぶ内容」を自分で決めていないので、興味は持てない。
「学ぶこと」に自腹で取り組まないので、あまり真剣に考えない。
よって、
人生において「学んだこと」を一度も考えたことがないし、「大人になって学べ」と言われても、何をしてよいかわからない大人が、またひとり、めでたく完成する
ということになります(トホホ)。
そして、
ニッポンの大人は、「自腹で学ぶこと」にとてつもない抵抗を示す場合が多い
ものです。
だって、自分で支払ったことなんか、ないんだから(社会には、貧困などの理由によって、支援が必要な層が存在することは言うまでもありません)。
こうした論理的帰結は、構造的に生まれていることがわかります。
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今日は「大人が学ぶこと」についての、ひとつの仮説(妄想)をご紹介しました。
ちなみに、
「何」を学んだらいいのですか?
という日々繰り返される問いには、
1.好きなことや興味関心をもてるものを「学んだ方」が長続きしますよ
(=学ぶと得しそうなもので、自分の興味の持てないものは長続きしないですよ)
2.「自分の経験が深い業務を伸ばす学び」や「専門とかけ算する学び」がいいのではないでしょうか
(=何の手がかりもないことをゼロから学ぶよりも、今までの自分を活かした方がいいんじゃないですか?)
3.「他人から感謝されること」を学ぶとモティベーションを高く保てますよ
とぼくはお答えすることにしています。さして的をえたアドバイスではないかもしれませんが、これくらいしか、思いつきません。詳しくは拙著をお読みいただければ幸いです。
それでも、中には・・・
「好きなことや興味関心がまったく浮かばない場合には、どうするのですか?」
とか
「いま、わたしは40なのですけれども、自分には、経験をつんだ仕事がないんですよね。そういう場合には、何を学んだらいいんですか?」
とか食い下がってこられる方もおられます。
そう言われてもね・・・本当に、どうしたらいいんですか?
皆さん、お知恵を拝借!
そして人生はつづく
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