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2023.3.30 08:02/ Jun

「ウェルビーイング」と「学び」の大研究!?:「AIでチャッチャッと最適な問題だしてくんねー時代」だからこそ「ともに学ぶこと」はやはり重要!

「AIでチャッチャッと最適な問題だしてくんねー時代」だからこそ「ともに学ぶこと」はやはり重要!
     
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 せんだって、パーソル総合研究所のみなさんと、ベネッセ教育総合研究所のみなさん、そして、中原の三者で、ここ数年取り組んできた共同研究の成果が、公開されました。この三者は、「ハタチからの学びと幸せ探究ラボ」という「謎のラボ」をつくり、下記の共同研究テーマをひそかに探究してきたのです。
     
 そのテーマとは、
       
 若年労働者の「ウェルビーイング」と「学び方」
     
 です。
    
 具体的には、どのように学んでいるひと、どのようにキャリアを積んでいる、どういう大学時代を過ごしひとが、ウェルビーイングを高く保てているのかを探究してきました。
        

     
「ハタチからの学びと幸せ探究ラボ」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/
        
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 今回、公開されたのは、
  
第二弾!若年就業者の​ウェルビーイングと​学びに関する定量調査​​<高卒・専門学校卒・短大卒編>
  
 という調査です。下記から報告書のPDFを無償ダウンロードできますので、どうぞご覧くださいませ!
   
第二弾!若年就業者の​ウェルビーイングと​学びに関する定量調査​​<高卒・専門学校卒・短大卒編>
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/data-02.html
  
 調査結果は膨大ですが、その一部を見ていきますと、1)高卒・専門学校卒・短大卒の方々においても「ウェルビーイング高く、活躍している層」は「学びに対して前向き」であることがわかります。
    

  
 2)さらには、とりわけソーシャルラーニング(ともに学ぶこと)に取り組んでいることがわかります(詳細はPDF資料をご覧くださいませ)。
    

  
  ▼
  
 実は、これら2つの発見事実は、昨年公表された第一弾調査である
  
若年就業者のウェルビーイングと学びに関する定量調査(PDF無償ダウンロード可能)
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/data-01.html
  
 でも検証されていたのです。
  
 今回は、これを「高卒・専門学校卒・短大卒」においても検証できた、ということになります。
 第一弾調査を公開したときに「それって大卒だけの話ですよね。高卒・専門・短大はどうなんですか?」という反響を多々いただいたのですが、それにお答えする形で、第二弾調査が組まれました。
  
 一連の調査の最大の意義は、おそらく、
  
 1)高校・大学・各種の教育機関で
 
 2)グループワーク、対話的な学び、探究、PBLなどの活動
  
 3)に取り組みたくても
  
 4)「それって、意味あんの?」と周囲の理解がなかなか得られなかった方々の
  
 5)背中を後押しする研究ができたこと
   
 なのではないか、と個人的には思っています。
   
 また、同じように、グループワーク、対話的な学び、探究、PBLなどの活動に「生徒・学生」として取り組んできたけど、いまいち、その意義がピンと来ていなかった、これからの学び手(子ども・生徒・学生)たちに、「こういう学びをやってて、いいんだ!大事なんだ!」を実感いただける、ひとつのきっかけになるのではないか、と思っています。
  
 また個人的には、「ともに学ぶこと」の重要性を、これでもか、これでもか、と主張できたことは非常に嬉しいことでした。
  
 とかく最近はAIの台頭もあり、「ともに学ぶ」よりは「AIが最適化してくれる問題をチャッチャッと個人で解くことが学びである」といった雰囲気が、世間に広がりつつあることを、個人的には懸念していました。
 コスパ・タイパが重視されるなかで、「他人と話す」とか「他人と対話」するとか「ぬるくて、かったるいこと、やってらんねー。チャッチャッとAIで問題だしてくんね?」といった風潮です(泣)。
  
 最終的には「バランス」なのでしょうけれども、わたしは不確実性が高まるときほど「原点に返るべき」だと思っています。ここで原点とは、
  
「学びとは、そもそもソーシャルだ」
「ひとは、もともとアクティブラーナーなのだ」
  
ということです。
そのようななか、やはり今一度、「ともに学ぶこと」「ともにあること」の大事さを確認した方がいいように思っています。
(思うに、わたしの研究者人生は、ほとんど、この2つのセンテンスを、手を変え、品を変え、テーマやトーンを変えて、言い続けているだけのようにも感じます、笑)
  
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 さて、ベネッセ教育総合研究所さん・パーソル総研さん・中原研の共同研究では、たーくさんの方々が知恵をしぼり、時間をかけています。この調査も、ベネッセさん+パーソルさんの「オーシャンズ11(イレブン)」的!?研究チーム(下記)に恵まれました(本当にありがとうございました!心より感謝いたします・・・)。
      

    
「オーシャンズ11(イレブン)」的!?研究チーム
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/hatachikara/#member
    
 この調査がはじまったのは、たしか数年前。当時パーソル総合研究所で社長をつとめてくださっていた渋谷和久さんと、ベネッセ上田浩太郎さんがコミットしてくださり、そこに同社の研究員の方々や中原がジョインし、研究がスタートになりました。「ともに学んできた」研究チームの皆様には、この場を借りて、御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
   
 さて「次の探究」に進もうか。
 そして人生はつづく
      
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【ご案内】新刊「話し合いの作法」!:すべてのひとびとに、対話し、合意して、決断できるスキルを! 人事パーソンはもとより、現場のマネジャー、現場の先生方などなど「話し合い」のスキルを高めたいすべての方々にお読みいただきたい一冊です!
   

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 同書の内容をサクっと学べる動画も公開されています。どうぞご笑覧くださいませ!
     
■仲が良くても心理的安全性が低い残念な理由【中原淳 立教大学経営学部教授】
   

    
■“残念な話し合い”5つの病【中原淳 立教大学経営学部教授】
   

  
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立教大学大学院 経営学研究科 経営学専攻 リーダーシップ開発コース(以下、LDC)では、経営学を基盤にしながら、次世代のリーダーシップ開発(人材開発・組織開発)を企業・組織で推進することのできる高度プロフェッショナル人材を育成しています。
  
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■立教大学大学院・採用情報発信サイト■
https://ldc.rikkyo.ac.jp/recruit/
     
【立教大学大学院で大学院生として学びませんか?】
 授業は「フルオンライン」。授業は金曜日夜と土曜日だけ行われており、2年間で、修士(経営学)が取得できます。来年1月に願書提出、2月に入試が予定されています。
    
 在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
     
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/
           
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■アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のWebページはこちら!■
https://jinzai.diamond.ne.jp/ub/unconscious-bias/
      
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新刊「チームワーキング」がオンライン管理職研修になりました。JMAMさんからのリリースです(共同開発をさせていただいた同社の堀尾さん、ありがとうございました。中原は共著者の田中聡さんと監修をつとめさせていただきました)。どうぞご笑覧ください! 
       
「チームワーキング研修版」リリースされました!
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/
   
「チームワーキング」が「アセスメントを絡めた管理職研修」として利用されております。モニター利用各社の人事担当者の皆様、開発担当者の堀尾さんと、座談会をさせていただきました。ぜひご覧くださいませ!
   
チームワーキング座談会
https://www.jmam.co.jp/hrm/training/special/teamworking/case/index.html 
  
 書籍「チームワーキング」の方も、おかげさまで「重版」を重ねております。応援いただいた皆様に心より感謝いたします。
     
    
 
https://amzn.to/3esCOrW
         
すべてのリーダー、管理職にチームを動かすスキルを!
ニッポンのチームをアップデートせよ!           
  
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立教大学経営学部 中原ゼミ4期生、ゲームなどを活用した「内定者フォローワークショップ」を共同開発! ダイヤモンド社・ダイヤモンドヒューマンリソースさまから発売中!デンソー様、東急不動産SCマネジメント様、ラインズ様、日水コン様、リリカラ様など、なんと「40社」を超える企業で、内定者研修・新入社員コンテンツの一部として、ご利用いただいております。
  
先だっては、JTさまのご協力のもと(同社の三島紀子さんに心より感謝いたします)、ワークショップの実践が記事になりました。下記をご覧くださいませ。

JTの内定者懇親会が教えてくれる、内定者同士の“つながり”の大切さ
https://xn--diamond-kc4f0b9lnf.jp/articles/-/316499

内定者の論理思考力、質問力などの工場、強みの発見、内定者同士の関係構築を、オンライン・オフラインで行えます。スライド、ワークシート、動画など完全完備。企業ごとに内製化してお使いいただけます。
     

    
立教大学経営学部 中原ゼミ、ゲームなどを活用した「内定者フォローワークショップ」を共同開発! ダイヤモンド社・ダイヤモンドヒューマンリソースさまから発売中!
https://jinzai.diamond.ne.jp/rp/prospective-employee-workshop/

 どうぞご高覧くださいませ!
    
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 職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS(オーディ・アトラス)」が多くの職場で使われはじめています。サーベイはもとより、それをいかに「フィードバック」するかに焦点をあてたツールです。ワークショップも開発しております。どうぞご笑覧くださいませ!
   

職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発) 
https://rc.persol-group.co.jp/consulting/survey/service/od-atlas.html
   
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【好評発売中】1on1のコツをまとめた映像教材を、中原とPHPさんで共同開発しました。上司用、部下用あります。1on1について「同じイメージ」をもつことができます。どうぞご笑覧くださいませ!
     
上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061
  
経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061   
  
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【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます! 
     
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
   
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
  
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新刊「フィードバック入門:耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術」絶賛発売中、13刷重版出来です!。AMAZON総合13位、1位(マネジメント・人材管理カテゴリー、リーダーシップカテゴリー)を記録!年上の部下、若手のトンガリボーイ、トンガリガール。職場には、多様な人々が集っています。難易度の高い部下育成に悩む管理職向けの新書です。どうぞご笑覧くださいませ。スピンアウト企画にDVD教材「フィードバック入門」、研修、通信教育もあります。こちらもどうぞご笑覧ください。
     

   
『フィードバック入門』スピンアウト企画
https://www.php.co.jp/seminar/feedback/
    
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【泣くな!新米管理職!】
  
おかげさまで10刷重版出来。「駆け出しマネジャーの成長論」は、「実務担当者」から「新任管理職」への役割移行をいかに進めるかを論じた本です。「脱線」をふせぎ、成果をだすためには「7つの課題」への挑戦が必要であることを解説しています!全国の管理職研修で用いられています。どうぞご笑覧くださいませ!
  

  
パーソル総合研究所と中原は、このテキストをもとにした「マネジャーになる研修」を開発しました。種部吉泰さんとディスカッションは、非常に楽しいものでした。このコースについても、どうぞご覧くださいませ!
  
「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
https://rc.persol-group.co.jp/seminar/become-a-manager.html
    
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Diamond Transition Program for Freshers(オンライン新人研修)
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/k00HD0024/
          
OJT指導員向け・短時間&動画で学べる 部下育成スキルの動画もございます。中原が新人育成のポイントについて解説しています!
   
短時間&動画で学べる 部下育成スキル・解説動画
https://jinzai.diamond.ne.jp/items/000HD6260/

    
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中原研究室のTwitterを運用しています。すでに約39000名の方々にご登録いただいております。Twitterでも、ブログ更新情報、イベント開催情報を通知させていただきます。もしよろしければ、下記からフォローをお願いいたします。
   
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