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2022.7.11 08:24/ Jun

私たちは「これ、Zoomで、よくね?」「わざわざ、対面で逢う意味、なくね」時代を生きている!

 最近、人事界隈の方々とお話をする機会があって、共通の話題に上ることのひとつに、下記があります。
     
「対面の人事イベントって、なかなか、人が集まらないんです。オンラインなら100人を超えるような集客ができるのですが、対面が難しいです」
   
   ▼
   
 コロナ禍は「ひとが集まること」「イベントすること」を変えました。従来は、イベントといえば「対面であうこと」の1択であったのですが、ここにひとつの選択肢が加わった。それが「オンライン」です。
  
 オンラインイベントは「コンテンツを伝達する」という意味においてだけなら、対面イベントと、さして、効果は変わりません(様々な研究がありますが、効果は同等、もしくはオンラインの方が上、というのがエビデンスとして定説化していると考えます)。
 しかも、参加する側にも、運営する側にも、たくさんのメリットがあります。下記に思いつき1分勝負(!?)で書き出してみましょう(皆さんも考えてみてください!)。
  
【参加する側のメリット】
 ・参加の敷居が低い
 ・全国、全世界にいても参加できる
 ・オンデマンドの場合は倍速視聴ができる
  
【運営する側のメリット】
 ・アゴ、アシ、マクラ、会場、印刷の事務処理・タスクが必要ない
  アゴ(食事のプランニング)
  アシ(交通費精算)
  マクラ(宿泊費精算)
  会場(会場を押さえる+机・椅子の移動)
  印刷(教材印刷)
   
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  ・
    
 もちろん、反面、オンラインにはデメリットもあります(皆さんも考えてみてください!)。
     
【参加する側のデメリット】
 ・コミュニティ感やひとのつながり(縁)を感じられない
 ・実技・実作業をともなうようなものは学べない
 ・長時間の場合は疲れる
   
【運営する側のデメリット】
 ・無断キャンセルが多い
 ・歩留まりがよめない(無料イベントなら、歩留まり半分ということもザラ)
 ・実技・実作業をともなうようなものは学ばせることは難しい
 ・メンバーをコミュニティ化するなどは難しい
     
   ▼
     
 いずれにしても、コロナ禍は、「対面であうこと」のハードルを一段あげた気がします。
 もし対面イベントを行うのであれば、
    
 1.何を、なぜ、何のために、学ぶのか?(Why & what to learn:目的と対象)
    
 2.なぜ、それは「対面」でなければならないのか?(Why meet up? : 対面であう理由)
    
 3.どのような成果をあげるのか?(What’s merit?)
    
 の問いに答え得るものでなければ、すぐに
    
「これ、Zoomで、よくね?」
    
「わざわざ対面であう必要、なくね?」

 になってしまうのです。
   
 大学は、お役所が「何がなんでも対面にせよ」と言い張るので、現在、対面に戻っている大学が少なくないのではないでしょうか。なかには「大規模授業などは、引き続きオンラインで」としている大学もあります。すなわち、そこに「フレキシビリティ」をもうけた、ということですね。
   
 ただ、事態はそう簡単には進みません。
 先だって、ある先生がこんなことをつぶやいておられました。
  
「大学生は、大学には、思ったよりも、戻ってないよ。コロナの対応でハイフレックスで授業をしていると、教室には、本来、100人くらい学生がいるはずなのに、10人くらいのときもある」
   
  ・
  ・
  ・
     
 私たちが「生身の身体」で「逢うこと」の意味が問われる時代に突入しているような気がします。
 私たちは、望むと望まないとにかかわらず、「これ、Zoomで、よくね?」「わざわざ、対面で逢う意味、なくね」時代の住人となってしまった、ということですね。
   
 そして人生はつづく
   
   ーーー
   
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 在学生などの声、リーダーシップ開発コースでの授業の様子について知りたい方は、ぜひ、下記のニュース欄をお読みくださいませ!
     
ひとづくり・組織づくりの大学院での「学び」とは?
https://ldc.rikkyo.ac.jp/news/
    
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職場診断ツール&ワークショップ「OD-ATRAS」 (パーソル総合研究所・中原の共同開発) 
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上司と部下がペアで進める 1on1 振り返りを成長につなげるプロセス(上司用)
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経験を成長につなげる1on1(部下用)
https://www.php.co.jp/dvd/detail.php?code=I1-1-061   
  
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中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
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「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
  
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『フィードバック入門』スピンアウト企画
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「マネジャーになる」 研修:プレイヤーからマネジャーへの移行期支援プログラム
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