NAKAHARA-LAB.net

2020.10.16 08:06/ Jun

「よいフィードバック」を受けるための「フィードバック問診票」!?

 わたしのゼミは「濃厚なフィードバック文化」が、その特徴です。
 そして、秋学期は、どこを見渡しても「フィードバック」
 秋学期とは「フィードバック・パラダイス」です!
 そして、よきフィードバックを受けるためには「問診票」への記入が必須です!
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 秋学期、本格化しています。
 学部ゼミ、大学院ゼミともに、その活動が盛んになり、毎日、メイル・LINE、Teamsなどにびゅんびゅんと活動の様子がアップされるようになってきました。
  
 こうした状況は、教員としては嬉しい限りです。
 どんなに忙しくなったとしても、学生が活発に活動することに、喜ばない教員はいません。
  
 卒論提出、ミニ卒提出、論文投稿などがつづく秋学期は、わたしにとっては、「学生へのフィードバック」で埋め尽くされる学期になります。が、それでも、精一杯、頑張ろうと思うのです。
  
 ただですね・・・朝の8時から夜10時までひたすらフィードバックをしておりますと(昨日はたまたますべての予定が重なり、大変でした)、だんだんと、自分でも混乱してくるのがわかります。その症状を端的に述べますと、
  
 個々の学生の抱える課題が、わからなくなってしまう病
  
 ですね。
  
 もちろん、僕の方でも、個々の学生の課題に関しては、一応、軽いメモをつくってのぞんでいるのですが、それでも、
  
 1. それぞれの学生が
 2. どんな研究テーマを抱えていて
 3. 前回にどんな課題を抱えて
 4. 僕がどのようなフィードバックを行い
 5. 今回何を課題解決し
 6. 何を相談しにきたのか
  
 がわからなくなってしまうのです。
  
 いや、努力はしているのです。
  
 ただ、1日に20人ほどの学生が、それぞれに課題を抱え、レベルも、分析対象も、分析方法も、それぞれの到達点が違う、ということになってくると、わたしひとりの頭では、それを記憶し、課題解決するのは不可能です。
  
 フィードバック時間も限られています。限られた時間のなかで、フィードバックを行うためには、個々の学生の現在地を数分で診断しなくてはなりません。
  
 ですので・・・ここで言うことでもないのですが、学生の皆さんには、僕にぜひご協力いただければと思うのです。「よきフィードバック」を差し上げたいと願っておりますので、わたしに、ぜひ協力していただきたいのです。
  
 それは、端的に申し上げると、
  
 どんなにちょっとした相談でも、フリーハンド(手ぶら)でフィードバックを求めてくるのは避けていただきたい
  
 ということです。
  
 かならず、フィードバックの際には、
  
 フィードバックの目的・進捗などをまとめたペラ1枚、すなわち「フィードバック問診票」をもってきていただきたい

 のです。
  
 わたしが欲しい情報は下記です。
  
 1. 研究タイトル
  正確に論文タイトル・副題をおしえてください
  (1字1句たがわず教えてください)
  
 2. 研究の概要
  3行程度で何を明らかにするかを教えてください
  (もし可能であれば、自分が検証したい仮説・方法論も)
   
 3. 前回の指導内容と前回までの課題
  前回の指導で、僕から何を言われたのかを箇条書きで教えてください
  
 4. 調査結果・分析結果
  この間、何を調べてきたのかを教えてください
  何を考えたのかではなく、何を調べてきたのか、
  何を分析してきたのかを教えてください
   
 5. 今の自分の悩み・課題と今日のフィードバック会の目的
  何に悩んでいるのか?、何にとまどっているのか、教えてください。
  そのうえで、今日のフィードバックで何が解決できたら、うれしいのか、
  僕に何を期待するのかを教えてください
  
 これをおしえていただけると「よいフィードバック」を差し上げることができます。
 そのうえで、わたしからは、おそらく、下記をお話しするでしょう
  
 「うーん、まこの、次回までの宿題はね・・・・」
  
 ですので、フィードバック会が終わったら、下記をフィードバックシートに書き加えましょう。
  
 6. 次回までの自分の宿題
  自分の宿題を箇条書きで書いておいてください。
  
 7. 次回までの自分のアクションプラン
  いつまでに、何をするかを、締め切りをきったアジェンダを組んでください。
  〆切がない仕事は、仕事ではありません。
  
 以上です。
 たぶん、多くの大学の先生は、こういうのを書いてきてくれると、すごく喜ぶと思いますよ。この時期、苦労なさっている先生方は、日本全国でたーくさんいらっしゃると思います(お疲れ様です!)。
  
 もちろん、もしわたくしとお茶飲み話がしたければ、
  
 8. 先生、あのね
  
 という項目をつくっていただいてもOKですよ。
  
「最近、温泉にいったとか」
「ディズニーに、こないだ、みんなでいったー」
  
 そういう話でもOKです。
  
(できれば、これ、だれかワードでワークシートつくってくれないかなぁ・・・。中原ゼミ「フィードバック問診票」というファイルにして、Teamsにおいておいてくれないかなぁ・・・秋山亮君、お願いできないかなぁ・・・)
  
  ▼
  
 今日は「よいフィードバック」を実現するためには、フィードバックシートがあると素晴らしい、というお話をいたしました。
  
 フィードバック・パラダイスの秋学期を、何とか乗り切りたいと願っています。
  
 学生諸氏、よろしく!
 そして人生はつづく
  
   ーーー
       
新刊「サーベイフィードバック入門ーデータと対話で職場を変える技術 【これからの組織開発の教科書】」がこのたび、HRアワード2020書籍部門のリストに入賞したそうです。
   
ここから、みなさまによる投票で、最優秀賞、優秀賞が決まるとのご連絡を得ました。本書は、従業員調査、エンゲージメント調査などをもちいて、組織開発を行うときに、マネジャーの方々に留意いただきたいポイントをまとめたものです。どうぞ応援のほど、よろしくお願いいたします!
  
HRアワード2020(投票)
https://jinjibu.jp/gfrm/eventEnquete/award-20-0001/form/
    

   
  ーーー
   
【祝・eラーニング完成!】中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース完成しました。リーダー・管理職になる前には是非もっていたいフィードバックスキルを、PC、スマホ、タブレット学習可能です。ケースドラマでも学べます! 
     
中原淳監修「実践!フィードバック」eラーニングコース:Youtubeでデモムービーを公開中!
https://youtu.be/qoDfzysi99w
   
「実践!フィードバック」コース ありのままを共有し、成長・成果につなげる技術(PHP)
https://www.php.co.jp/el/detail.php?code=95123&fbclid=IwAR2he6Z_PTe3YiahcnCv3z9pNRXvrajPwVaRS8LLAYFkbWVH167qHDfYF5Q    
   
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「研修開発ラボ」(ダイヤモンド社)が、フルオンライン化して大幅リニューアルしました。人材開発の「基礎の原理」を学ぶことのできるトレーニングプログラムです。どうぞお越しくださいませ!
    
研修開発ラボ 特別講座「人材育成の原理・原則を学ぶ」
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「組織開発の探究」HRアワード2019書籍部門・最優秀賞を獲得させていただきました。「よき人材開発は組織開発とともにある」「よき組織開発は人材開発とともにある」・・・組織開発と人材開発の「未来」を学ぶことができます。理論・歴史・思想からはじまり、5社の企業事例まで収録しています。この1冊で「組織開発」がわかります。どうぞご笑覧くださいませ!
    

   
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