NAKAHARA-LAB.net

2020.8.3 12:09/ Jun

人材開発と組織開発の専門ラヂオ番組「モールナイトニッポン」をやっちゃいました!:今、必要な「人と組織のコミュニティメディア」!?

【人材開発と組織開発の専門ラヂオ番組「モールナイトニッポン」をやっちゃいました!】
   
   
    
 昨夜・日曜日、人材開発と組織開発の専門ラヂオ番組「モールナイトニッポン」をオンエアさせていただきました。
   
「モールナイトニッポン」は、人材開発・組織開発・未来の学習などなどに興味関心をもつビジネスパーソンや研究者が、手弁当で立ち上げてきた団体「経営学習研究所」が月に1度お贈りする、専門番組です。
  
「人事・人材開発・組織開発などなどの領域で最近話題になっている最新のトピック」を45分で学ぶことができるようになっています。
  
この企画を立ち上げた思いとしては、下記の通りです。
  
人材開発・組織開発の専門ラジオ番組「モールナイトニッポン」をオンエアします!
http://www.nakahara-lab.net/blog/archive/12022
    
 当日は300名ほどのチケットのお買い上げをいただき、200名弱の方々にご視聴いただきました。3日間はアーカイブが残っておりますので、チケットをお買い上げの方でご視聴いただけていない方は、ぜひ、3日以内にご覧くださいませ。
   
 当日の様子は、グラフィックレコーディングを手がけておられる岸智子さんが、3枚のグラレコにしていただきました(ありがとうございます!)
 ご本人のご許可を得て、下記に公開させていただきますので、どうぞご笑覧くださいませ。リスナーの方々とガンガンとやりとりをしながら、あっという間の45分間でした。
      

   

   

   
グラフィックレコーディングのはじめかた(岸智子さんの講座:医学書院)http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03350_05
   
  ▼
  
 なお、キックオフということもあり、志ある仲間とともに「モールナイトニッポン」のオンエアを終えた僕の感想も付記しておきます。
 下記のとおり。、ちょっとマニアックな議論だけど、今、僕が考えていることです。
 一銭の得にもならないとは思いますが、企画の背景で、こんなことを個人的には考えていた、ということを残しておこうと思います。
  
1.これからの「オンラインの学び」のコンテンツとは、教授者が十分ネタを用意しつつも、学習者(リスナーの皆さん)からのリアクションをピックアップしながら、即興的に、編み直されるものになっていくのではないか。すなわち、オンラインでの学びは「インプロヴィゼーション(即興劇)」の果たす役割が大きいのでないのだろうか
(これはコロナ禍で、オンライン授業を推進してきたことから、そう思う) 
   
2.マスメディアがさして関心をもたない領域(視聴率1%以上つまりは100万人のリスナーがそもそもいない領域)に関しては、さらに、コミュニティメディアが発達していくのではないだろうか。その際、コミュニティをつくるものは、オンデマンドの一方向のビデオではなく、学習者の声をとりあげながら、アドホックにつくられるコンテンツになるのではないだろうか? 主催者とリスナーが「コンテンツを相互につくりだす」という行為そのものが、コミュニティの強化につながるのではないだろうか? 「テレビ的」なメディアよりも、「ラヂオ」的なメディアの果たす役割が大きいのではないだろうか?
  
3.HR・HRD・ODの領域は、そこにかかわるひとが100万人に満たない領域である。この領域の情報流通は、これまで、書籍・論文・雑誌などの書字メディア、また、都市に限って開催される大規模な講演・ワークショップなどに偏ってきた。これをよりフレキシブルに、より多くの志ある人々に届けるためには、メディアの再編が必要なのではないだろうか
  
4.コロナ禍において、人材開発・組織開発のビジネスには、大きな転換点が訪れている。対面のよいところを残しつつも、オンラインをいかに組み合わせることができるか。
  
5.コロナ禍において、一時的に、Web化・無料化の流れが、人材開発・組織開発におとずれてきている。一時的にはやむを得ないところもあるが、良質なコンテンツには「お金」がしっかりと周るための仕組みはなにか? さらに、未来へのR&D投資を活性化できるサイクルを保つためには、何が必要か?
(食えないところには、未来はない。食えないところには、優秀な人材は集まらない。優秀な人材がR&Dを行えなければ、先細る)
   
6.コロナ禍を乗り越え、未来の人材開発・組織開発に、いかなるビジョンを描くか?
          
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 ま、そんなことをボンヤリと考えながら、「実験的な試み」を、志ある仲間の皆さんとはじめています。
   
 最後になりますが、視聴してくださったみなさま、そして、今回番組企画をともに考えた経営学習研究所のみなさん、技術的サポートをしてくださった、みきしのさん、そして素敵なグラレコをお贈りいただいた岸智子さんに、心より感謝いたします。ご視聴いただいた皆様も、どうかご感想・フィードバックをお寄せくださいませ!
       
 そして人生はつづく

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