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2006.3.7 21:23/ Jun

与作

 昨日、僕は自分が、この20年ものあいだ、「大きな過ち」を犯し続けて生きてきたことに、気がつきました。
 というのは・・・(ここからは相当くだらないので、時間のない人は読まないで下さい)
 実は、ここ数日、ipodで北島三郎の「与作」を何十回と繰り返し聞いていたんですけど、この歌は、実は3人の人間の「かけあい」の歌だったんですね、それに気づきました。
 この歌は、「ナレーター」と「木こり」と「木こりの妻」が、それぞれ自分のパートを歌って構成されているのです。つまり、こういうことです。

 与作は木を切る(これはナレータの声)
 ヘイヘイホー ヘイヘイホー(これは木こりの声)
 (省略)
 女房は ハタをおる(これはナレータの声)
 トントントン トントントン(妻の声)

 これを僕はすっかり誤解していた。これはナレータがひとりで「木こりとその妻の様子」を俯瞰していて、それを淡々と歌っている歌だと思っていたのです。

 与作は木を切る(これはナレータ)
 ヘイヘイホー ヘイヘイホー(これもナレータ)
 (省略)
 女房は ハタをおる(ここもナレータ)
 トントントン トントントン(最後もナレータ)

 だと誤解して歌っていました。
 
 サブちゃんは、さすが「演歌の帝王」だけはあります。注意深く「与作」を聞いていると、彼はこの3つの声をうまく歌い分けていらっしゃるのです。
 ナレータのときは鼻の穴をひろげて、木こりのときは「人がよさそうな声」で、妻のときは「木こりの帰りをまつ愛くるしい妻の声」で。未熟者の僕には気づかなかった・・・この表現の細かさには。
 かつて、僕が、あのステージで「与作」を熱唱したとき、あの人はいいました。
 「あなたの歌には、風景が見えない」
 血気盛んだった僕は、「なにをー」と思いましたが、あの人のいったことは正しかった。僕が演歌歌手になれなかった理由が、ようやくわかりました。昨日の発見で、僕の「与作」は大きくレベルアップでしょう。
 でもね、レベルアップするだけじゃダメなんです・・・研究者なんだから。サブちゃんにはないオリジナリティがないと。僕なりのオリジナリティを、この歌に加えなければ、勝てないのです。
 で、30秒くらい考えて、僕は、この歌を4つのパートから歌うことにしました。「かぁーーーーー」と音のするビブラスラップという楽器の音を自分の声で入れることにしたのです。こんな感じです。

 与作は木を切る(これはナレータの声)
 ヘイヘイホー ヘイヘイホー(これは木こりの声)

 かぁーーーー(中原オリジナル)

 女房は ハタをおる(これはナレータの声)
 トントントン トントントン(妻の声)

 かぁーーーー(中原オリジナル)

 悪いけど、もう無敵。
 —
 いずれにしても演歌は手強いですね。これを大きく反省して、昨日、演歌のCDを大量に買い込みました。自分のレパートリーをもう一度復習しようと思います。
 次の課題はタカシ・ホソカワの「望郷じょんがら」です。さて、次は何を発見しますやら。
追伸.
 こんなくだらないエントリーで、40万アクセスを達成してしまうなんて・・・嗚呼。
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