NAKAHARA-LAB.net

2013.6.20 08:33/ Jun

「身体からのメッセージ」を読み解く!?:学習者は何を考え、何を感じているのか?

 身体は、口ほどにものを言う
 人は、身体を通して、常にメッセージを発している
 
 仕事柄、僕は、ワークショップ、セミナーなどで、登壇したり、ファシリテーションをしたりすることが少なくないのですが、そのとき「見ている」もののひとつ、「参加者の方々の身体」です。
 話ながら、ときどき目をやり、身体の動き、構え、姿勢などに、目が自然と向かいます。
「身体を見る」といっても、
「あっ、ちょっと、この人、メタボ気味だな」
「ちょっと、ズボン、きつそうだな」
 とかそういうことではありません(笑)。
 たとえば、敢えてわかりやすく述べるならば、グループでディスカッションしているときに、多くのメンバーが「腕を組みながら」話をしているとします。これはわかりやすすぎ?
 一概には言えませんが、「腕を組む姿勢を自然に、みんながとっている」ということは、「胸襟を開いている」というよりも、やはり「自分を防衛したいという意識が働いている」と考えられる場合が多いように感じます。
 ま、ほんとのところなんて、わからないけど。経験上・・・だけどね。
 たとえば、前で自分がレクチャーをしているとします。
 本当に自分のしている話のベクトルが、参加者の方々に、本当に同期しているときというのは、「脚が動く」「頭が動く」とか「咳をする」とか、そういう動きが、おこらないような気がします。経験上・・・だけどね。
 逆に、話のベクトルがあってないな、というときには、身体は前傾気味、どちらかというと、うつむきがちになっていきます。咳も出てきますし、脚を組む方なんかもでてきやすい傾向があるように感じます。
 こういう現象ならば、それこそ「無限」に列挙することができますが、おそらく大切なことは、「それぞれの動作」が何を指し示しているか、ということに関する「個別の解釈」ではありません。
 おそらく大切なのは、
・学習者は本当に思っていることを、なかなか口にしない
・学習者の身体は、いろいろなメッセージを発している
 特に、僕が相手にするような「成人」 – 10年目くらいの実務担当者の方からマネジャー層とかが多いですかね – さすがに、考えていることや感じていることを、「じゃじゃもれ」状態で、すぐには口になさいません。
 しかし「身体」は、なかなか「ウソ」はつけないものです。その方々の身体的特徴、姿勢の特徴もあるので、全く一概には言えないのですが、そのときどきで、「身体は様々なメッセージを出している」ように感じます。
 僕の仕事にとって「見ること」は大切です。
 そして人生は続く
 —
追伸.
 6/21(金)午後7時からのUST「研究 – 実践の関係2.0!?:僕ら(研究者)は、何を生み出したいか? 実務家の方々とどんな関係を築きたいのか?」ですが、国保祥子先生(静岡県立大学)にもご出演いただくことになりました(感謝です!)。
 国保先生は、「自分の研究室」を「実務家」の方々が集まる「フューチャーセンター」にして、そこに大学生を巻き込みながら、実践をなさっています。「実践と研究のあいだ」を考えるうえで、興味深いお話がうかがえそうです。
どうぞおたのしみに!
国保研究室:静岡県立大学経営情報学部 国保ゼミ公式blog
http://blog.kokulabo.com/
静岡県立大学国保ゼミフューチャーセンター
http://futurecenternews.jp/u-shizuoka-ken-kokubo-fc-78.html
当日のUST配信は下記からです
http://www.ustream.tv/channel/nakaharalab

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