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2013.1.2 10:59/ Jun

子どもの頃、一番、印象に残っている光景 : 外へ、外へ、外へ

 あなたの子どもの頃の「印象に残る風景」を、写真3枚をつかって表現してください
 と誰かにいわれたら、あなたは、どのような「子ども時代の心象光景」を思い浮かべるでしょうか。そして、手持ちの写真の中から、どのような写真を選び取るでしょうか。
 雪国に生まれた方ならば、「しんしんと積もる雪の日の光景」なでしょうか。南国に生まれた方ならば、「海に夕日が落ちる光景」でしょうか。
 北国、酷寒の地、旭川に生まれた僕の場合、それは「凍てつくような吹雪(ふぶき)を含む光景なのです。
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 Image(1).jpg
 厳冬の頃
 部屋の中で
 ストーブが赤々燃えている
 
 ストーブの上にはヤカンがおかれ
 ゆらゆらと「湯気」がでている
 窓の外は、吹雪
 凍てつくような寒さ
「今日は、外に行っちゃだめだよ」と言われる
 僕はそれでも「外」に出たい
 「外」に出たくて出たくて
 一日中を、窓の外を見ながら過ごす
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 僕は、ことあるごとに、この「自宅の風景」を思い出します。この話は、前にもしたことがあるような気もしますが、なぜかはわかりませんが、これなのです。この「心象風景」なのです。ときどき、夢にさえ見るくらいに。
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 思うに、子どもの頃から、「外に出たかった」のだと思います。
「外」は吹雪。そこは「視界不良」であるかもしれないけれど、そこは「かじかむような寒さ」であるかもしれないけれど、外に出たかったのではないか、と思うのです。
 北海道の家は、暖房施設が発達していますので、「ストーブが赤々と燃え」、まことに温かいのですけれども、それでも、やっぱり「外」に出たい。逆にいうならば、「暖かい自宅」があるからこそ、ベクトルが外に向いていたのかもしれません。
 そして、その思いは、なにやら、今の自分と重なりがあるようにも思います。
 外にでて、自分が何をしたいのかはよくわかりません。しかし、外へ、外へ、外へ。外に出たと思ったら、いつのまにか、中におり。また外を目指して。しかし、「中に居続けること」に憧れつづけ。僕は、まことにアンビバレント(両義的)な存在であるのです。
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 北海道の自宅で、年末年始を過ごし、久しぶりに、昔を思い出しました。
 
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 あなたが、子ども時代に見た「光景」はどんな光景ですか?
 あなたの心象風景には何が表現されていますか?
 そして
 その風景は「今のあなた」と何かつながりがありますか?
 年始年末、実家にいらっしゃる方が多いのでしたら、昔のアルバムを開いてみても面白いかもしれませんね。

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