NAKAHARA-LAB.net

2008.2.23 07:00/ Jun

「省察的実践」と「成人期の学習」

 最近、学習研究者の間で密かに話題になっていることに、ドナルド=ショーンの「The reflective Practitioner」の完訳が出版された、というニュースがある。

 このニュース、僕は、数週間前に、お茶の水大学大学院の院生のHさんに教えてもらった。早速注文しようと、アマゾンを検索したけれど、もう既に売り切れていた。しょうがないので、版元の鳳書房に直接電話をかけて取り寄せることにした。

 邦訳名は「省察的実践とは何か?」。
「The reflective practitioner」は、これまで「部分訳」が「専門家の智恵」というタイトルで出版されていた。難解な本だけに、今回は「全訳」ということで、非常に期待が高まっているのだと思う。

 今から12年前、「The reflective practitioner」を苦労して読んだことが思い起こされる。嗚呼、あのとき翻訳があったら。まぁ、今となってはいい想い出である。
 —
この本と同じくらいおすすめしたい本に、メリアムの「Learning in adulthood」の翻訳がある。こちらは2005年に出版されていたらしいのだが、全く知らなかった。

 邦題は「成人期の学習」。いわゆる学習科学、教育工学でよく目にする学習理論から、成人教育論の中で目にする学習論まで、様々な内容が非常によくまとまっている。
 この本を僕が読んだのは、2004年のボストン留学中だった。夜な夜な、ひとり部屋にこもって、シコシコと赤線をひっぱりながら読んでいたことを思い出す。

 ちなみに、Learning in adluthoodをさらにコンパクトに、だけれども、そのフレーバーを漂わせつつ!?、エッセンスだけをまとめたのは下記だろうか。

 —
 とにかくどの本もいい本だと思います。「大人の学び」を考えるのら、ぜひ、手に取ってみてください。あと、訳者の方々のご苦労、推察します。ありがとうございました。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.4.28 08:31/ Jun

優れたリーダーは「かつがれ力」を発揮する?

2025.4.24 12:39/ Jun

あなたの近くに「崩壊」しているものはありませんか?:「崩壊」は突然「ちゅどーん(爆音)」ではない!

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

2025.4.14 18:11/ Jun

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

2025.4.6 18:11/ Jun

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?

2025.4.1 18:20/ Jun

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?