NAKAHARA-LAB.net

2007.2.26 05:00/ Jun

ミルクを嫌がる子どもをあざむく

 少し早すぎると思うんだけど、「反抗期」らしい。早速息子にメンチ切られた。0歳の分際で、上等だ、コノヤロー(笑)。
gameru.jpg
 まゆげ薄いから、怖いけど。
 —
 タクの最近の変化で一番大きいのは、「ミルクを極端にいやがること」である。
 ほ乳瓶の「口」がイヤになったのか、それとも、グルメになって舌が肥えてきたのか、原因がわからなかったのが、数々の実験の結果、ようやく問題の切り分けに成功した。
 ほ乳瓶の口を新しいものに変えても、この傾向は変わらない。ミルクの種類を変えてもダメだ。環境音をゼロにしても、視覚をふさいでもかわらない。
 ということで、要するに、これは「彼の意識が何らかのかたちで、ミルクあるいは哺乳瓶を拒否している」と結論づけた。
 で、昨夜、ミルクを飲ます方法を開発した(教育工学研究者としては、手法を開発せずにはいられない)。「そんな、おしゃぶりに騙されてメソッド」(意味不明)。
 まず、ミルクを敢えていったん飲ませる。ほ乳瓶を口にもっていき、彼をいったん泣かせる。彼は泣くので、目を閉じるはずである。そこが勝負のときだ。ササッと「おしゃぶり」を取り出して、何食わぬ顔で、ほ乳瓶といれかえ、口にいれてしまう。
 タクは、「おしゃぶり」を「おっぱい」と勘違いするので、これで確実に沈静化し、今度は深く目を閉じてしまう。そこで、ササッと先ほどのほ乳瓶を取り出し、口にいれてしまう。
 要するに「あざむく」のである(笑)。30年以上も生ききた智恵をフル動員してね(たいした知恵じゃない・・・)。
 結果、この方法は大成功だった。過去数日間10mlくらいしか飲まなかったミルクを、昨日は180ml飲ませることに成功。おかげで、昨日は8時間以上もの連続睡眠を確保。
 —
 もちろん、この方法が、今日、うまくいくかどうかはわからない。また、どの子にも通用するとは限らない。だいたいにして、この時代の子どもは、「今日うまくいったことが、明日にはダメになる」ことが多い。だから話半分に聞いてね。
 でも、だからこそ、探求(inquiry)することがオモシロイと思うのである。子どもの変化に応じて、親も考える。
 
 子育てとは、親にとって「探求学習」そのものである。
 僕はそう思う。
takuto_warai.jpg

ブログ一覧に戻る

最新の記事

「わたしがチームから抜けたら、仕事が回らない」はイリュージョン(幻想)である!?

2024.5.3 08:41/ Jun

「わたしがチームから抜けたら、仕事が回らない」はイリュージョン(幻想)である!?

「余人をもってかえがたい」は「組織を腐らせる」!?

2024.5.1 08:35/ Jun

「余人をもってかえがたい」は「組織を腐らせる」!?

自分の身体をどのように用いて、相手にプレゼンテーションを「お届け」するのか?:演劇の知とリーダーシップ!?

2024.4.26 10:34/ Jun

自分の身体をどのように用いて、相手にプレゼンテーションを「お届け」するのか?:演劇の知とリーダーシップ!?

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?

2024.4.24 08:22/ Jun

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?

2024.4.17 23:54/ Jun

給特法、および、それにまつわる中教審審議に対する私見(中原淳)