NAKAHARA-LAB.net

2017.5.29 05:22/ Jun

本当は「わかりやすく教えられるスキル」がないだけなのに、屁理屈をこねる人!?

 敢えて戯画的と思えるくらい単純化するならば、いえいえ、ほとんど「冗談」のように大別しまくるならば、
  
 世の中には、「3つ」の物事があります。「本当にわかりにくいこと」「わかりにくいけれども、伝え方次第で、わかりやすく教えられるもの」「わかりやすいもの」の3つです。
 何の根拠もないけれど、たぶん、2:7:1くらい。
  
 世の中には「本当にわかりにくいこと」は「2はある」ということ、さらには「わかりやすいものは1はある」ということを潔く認めたうえで、その後の話は「後者の7=懸案の7」に焦点をしぼりましょう。
  
 以下では、「教える内容」ではなく「教える人」に焦点を絞ります。
  
  ▼
  
 敢えて戯画的と思えるくらい単純化するならば
   
 世の中の「教える人」は2種類にわかれます。
  
「わかりやすく教えられる人」「わかりやすく教えられない人」です。「本当はわかりにくいこと」をわかりやすく教えるのですから、そこには大きな「挑戦課題」があります。しかし、世の中には、この「挑戦課題」にチャレンジする人としない人がいます。
  
 まぁ、感覚的には3:7のくらいかなぁ。
 教わる側としては、願わくば「わかりやすく教えられる人」に出会いたいものです。
  
  ▼
  
 さらに申し上げるならば、
  
「わかりやすく教えられない人」には、実は、二種類の人がいます。
  
「わかりやすく教えるスキルは自分にはないが、それを口にだすのは格好悪いので、屁理屈をこねて、現状を正当化する人」「わかりやすく教えられるスキルはあるけれど、わかりやすく教える危険性も同時に熟知しており、敢えてわかりやすく教えない人」です。
  
 こちらは感覚的には9:1かな。
 本当は「わかりやすく教えられるスキル」がないだけなのに、屁理屈をこねる人は、意外に多いと思います。
 何の根拠もないけど(笑)
  
  ▼
  
 今日は「わかりやすく教えること」について書きました。
 わかりやすく教えるのは本当に大変なものです。先週は、様々な出来事がありましたが、そのことを痛感した一週間でもありました。しかし、願わくば、自分の講義の「わかりにくさ」を真正面に受けて、屁理屈こねず、まっすぐ精進したいものです。自戒をこめて。

「教えられるー教わるとき」、あなたは、どんなリアルに対峙していますか?
  
 今週も一週間頑張りましょう! 
 そして人生はつづく
    
 ーーー
  
追伸.
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