NAKAHARA-LAB.net

2006.7.4 20:00/ Jun

しろいかみのままでいたかった

 本日の朝日新聞に載っていた谷川俊太郎さんの詩。ちょっとステキだな、と思ったのでご紹介。
 「ことばあそびうた」「わらべうた」など、彼が子ども向けに書いた詩が、僕は好きです。「声にだして読んで楽しい」一方で、オトナでも、とても考えさせられる。
 —
 ほんはほんとうは
 しろいかみのままでいたかった
 もっとほんとのことをいうと
 みどりのはのしげるきのままでいたかった
 だがもうほんにされてしまったのだから
 だから
 むかしのことはわすれようとおもって
 ほんはじぶんをよんでみた
 「ほんとうはしろいかみのままでいたかった」
 とくろいかつじでかいてある
 わるくないとほんはおもった
 ぼくのきもちをみんながよんでくれる
 ほんはほんでいることが
 ほんのすこしうれしくなった
(谷川俊太郎「すき」所収)

 —
 「ほん」は最後に「ほんのすこしうれしくなった」と語る。この「ちいさな幸せ」を「あぁよかったな」と歓迎しつつも、どこか切なくなるんだよなぁ。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

あなたの周囲では「従事軍」を見かけませんか?:モリモリに盛った「職務経歴書」の裏側にあるもの!?

2024.5.6 16:14/ Jun

あなたの周囲では「従事軍」を見かけませんか?:モリモリに盛った「職務経歴書」の裏側にあるもの!?

「わたしがチームから抜けたら、仕事が回らない」はイリュージョン(幻想)である!?

2024.5.3 08:41/ Jun

「わたしがチームから抜けたら、仕事が回らない」はイリュージョン(幻想)である!?

「余人をもってかえがたい」は「組織を腐らせる」!?

2024.5.1 08:35/ Jun

「余人をもってかえがたい」は「組織を腐らせる」!?

自分の身体をどのように用いて、相手にプレゼンテーションを「お届け」するのか?:演劇の知とリーダーシップ!?

2024.4.26 10:34/ Jun

自分の身体をどのように用いて、相手にプレゼンテーションを「お届け」するのか?:演劇の知とリーダーシップ!?

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?

2024.4.24 08:22/ Jun

褒め方ひとつ間違えると「怯える、いい子」を量産してしまうメカニズムとは何か?