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2006.4.30 21:17/ Jun

北の国から・・・シモヤケ、ビックカツ、チャラ度ゼロ

 散歩の途中、ほぼ15年ぶりに、自分の通っていた中学校をたずねてみました。自宅から歩いて20分くらいのところの距離なので、そんなに遠くはないのですが、卒業以来、足を向けることはありませんでした。
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 15年ぶりの中学校の外見は、ほとんど当時と変わりはないようです。白い石でできた校門は、ところどころカドが欠けていましたが、それ以外は、本当に、何もかもあの頃のままです。
 ただ、僕の記憶の中にあるグランド、中学校の校舎は、ものすごい広いイメージでしたが、実際にいってみると、「小さく感じる」のですよね。
 こんな狭いところで、僕は走ったり、飛んだり、勉強していたり、居眠りしたり、怒ったり、泣いたり、恋に落ちてコッパミジンコになっていたりしたんだ(泣)・・・と思うと、少し驚いてしまいます。
 いいえ、中学校に限らず、散歩をしていると、いろんな懐かしい場所を目にするのですが、何もかも、一回り小さく感じてしまうのはなぜでしょうか。まだ、僕のカラダが小さかったからなのかな・・・。
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 それにしても、中学校まで、20分と簡単にいいますが、これね、夏ならいいけどさ、冬は地獄です。
 なにせ、氷点下20度なんかザラですから、登校の途中で「行き倒れ」になって、春の雪解けとともに発見される・・・
 ってことはないんだけれども(笑)。よく、耳とかがシモヤケになっちゃうんですね。
 まぁ、言うなれば、ひとつの拷問です(笑)。というか、北海道の子どもたちならば、一度は体験しなければならないサバイバル・イニシエーションなのでしょう。登校途中でシモヤケを経験したことのない北海道の中学生は、はっきり言って、モグリだね。
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 中学校にいく道すがら、僕が毎日のように通ったスキー場もありました。こちらは、家から10分のところにあります。当時は、リフトが2機ありましたが、いまは、1つは取り壊されてしまったようです。
 僕は、このスキー場でスキーを覚えました。
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 申し訳ないのですが、内地の方々のスキーのやり方と、僕らのそれは根本的に異なります。僕らにとってスキーは、一年に一回のイベントではありません。それは、まさに「終わりなき日常」。
 あとチャラチャラしていません、僕らのスキーは。チャラ度ゼロです。女の子の存在ゼロです。「わたしをスキーに連れてって(古い!)」のような心ときめくことは、皆無です。むしろ、「わたしにスキー以外のことをさせて」という感じです。
 毎日のように通い、一日にリフトに50回、60回とか乗って、ひたすら滑るのです。コブやジャンプ台、アルペンコースを自分たちでつくり、自分たちで記録をつくるのです。本当に禁欲的にワザを極める。
 僕にとって、スキーは、そういうものでした。というか、冬は雪に閉ざされて、車にも乗れない子どもは、それくらいしかやることがなかったのですね。
 —
 学校の帰り道、よく買い食いをしていた商店も、まだ健在でした。考えてみれば、「買い食い」とは変な言葉ですね。買って食うのはアタリマエです(笑)、なぜ買い食いというのでしょうね。
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 当時、登下校途中の「買い食い」は、学校で禁止されており、多少の後ろめたさをもちつつ、店にはいったものです。
 ここで、僕はよく、ガリガリ君とか、パンとか、買って食べていました。一番のお気に入りは、駄菓子の「ビックカツ」でした。「ビックカツ」ってご存じですか? 反対側が透けて見えてしまうような「薄い肉」が、申し訳なさそう程度に入っている駄菓子です。
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 今から考えれば、何がうまくて、それを食っていたのか、理由が全くわかりません。でも、よく買っていました・・・お腹をすかせて。
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 散歩をすれば、当時の記憶がよみがえってきます。よみがえってくるけれど、肝心なところは、すべてぼんやりと曖昧になっている、それでいて懐かしい記憶。
 確かに、15年前、僕はここにいました。
 明日も散歩に行ってみましょう。

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