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2007.4.17 09:00/ Jun

【残席20を切りました】企業研修の先にあるもの&プロフェッショナルの育成

 5月9日、Learning bar(公開研究会)でご講演いただく松尾睦先生の近著「経験からの学習 – プロフェッショナルへの成長プロセス」を読み直した。先生をお呼びするにあたり、もう一度勉強しておこう、と思ったのである。

「経験からの学習」は、プロフェッショナルの育成プロセスに焦点をあてた専門書である。
 一般に、
 —
「何かを学ぶためには、自分で体験する以上に良い方法はない」(アインシュタイン)
「人間の学習の7割は経験からである」
 —
 と言われている。
 確かに、経験は、Off-JT、研修、セミナー、e-learningといったような、Formal learningにくらべ、人間の学習の主要なリソースであることに間違いはない(だからといって、Formal learningにできる3割を無視するべきではない)。
 本書は心理学方法論をベースに、「経験」を通じてプロフェッショナルが育成されるプロセスを分析している。
「プロフェッショナルになるためには10年かかるというのは本当か」「組織風土の与える影響」「個人的な信念が学習に与える影響」など、様々な角度から、プロフェッショナルの育成に迫っている。
 いわゆる、認知科学でいうところの熟達化研究の知見を、企業人材育成のコンテキストにあてはめたことが、本書のオリジナリティだろう。
 —
 ちなみに、次回以降のLearning bar(公開研究会)は下記の予定で開催される。2つのLearning barに共通するテーマとしては、「Formal learningの限界の可能性」にある。
 どちらも既に申し込みを開始して、あっという間に残席が20を切ってしまった。ご希望の方はお早めにどうぞ。
 
 
■第一弾! 2007年4月27日 東京大学
企業研修に「できること」と「できないこと」
■第二弾 2007年5月9日 東京大学
“プロフェッショナルは
 どのようにして一人前になるのか?
 
 
=================================================
Serious Learning bar@Todai 2007
ワークプレイスラーニング・フォーラム
GWスペシャル企画第一弾!
企業研修の先に広がる世界:
企業研修に「できること」と「できないこと」
2007年4月27日(金曜日)東京大学
=================================================
 2007年4月のLearning barは、ワークプレイスラー
ニング・フォラームと称し、「研修の先に広がる世界」
という内容でディスカッションを深めたいと思います。
 企業で人材育成といえば、まず真っ先に掲げられる
のが「研修」です。多くの企業では人事・教育部を
中心に、莫大な予算をかけて、多くの研修を実施して
います。
 しかし、研修には「できること」と「できないこと
」があります。それは研修の構成の問題に加え、研修
を実施しようとする主体=人材育成担当者の問題でも
あります。
 本フォーラムでは、企業人材育成の実務および研究
に携わる方々をお呼びし、下記のような問題に取り組
みます。
1) 近年、企業研修の他に、どのような人材育成
  施策が広がりをもちはじめているのか?
2) 企業研修に「できること」と「できないこと」
  は何か?
3) 人材育成担当者(民間教育サービス事業者)は、
  今後、どのような業務を実施することを求めら
  れるのか。そして、そこにはどのような障害が
横たわっているのか?
 参加をご希望の方は、下記のフォームに必要事項
をご記入のうえ、4月20日までに
sakamoto [atmark]tree.ep.u-tokyo.ac.jpまでご
連絡下さい。
 ふるってご参加下さい。
 
     企画担当:中原 淳(東京大学・准教授)
 ※今回は、Serious learning barとして実施します。
 飲食はこちらでは用意しません。各自お持ち込み
 ください。
 —
○主催
 NPO法人 EDUCE TECHNOLOGIES
 http://www.educetech.org/
 
 EDUCE TECHNOLOGIESは、教育環境の構築に
 関する調査、研究、コンサルティングを行う
 非営利特定活動法人です。
 
 企画担当
 副代表理事 中原 淳
○共催
 東京大学大学院 学際情報学府 中原淳研究室
http://www.nakahara-lab.net/
○日時
 2007年4月27日(金曜日)
 午後6時00分より午後9時まで
 
 
○内容(案)
 □開場
 (6時00分)
  ・今回は、Serious Learning barとして
   実施します。ので、飲食はこちらでご用意
   しません。各自、お持ち込みください。
 □Serious Learning barのご紹介と企画趣旨
 (6時15分-6時30分)
  ・中原 淳(東京大学)
 □講演Ⅰ
 「企業研修だけでは「できないこと」
―学習環境デザインとキャリアの視点から―」
 (6時30分 – 7時20分:質疑10分含む)
  ・荒木淳子氏(東京大学)
企業研修だけではできない仕事に関する
学びについて、学習環境デザインとキャ
リア開発の視点から考えます。
 □講演Ⅱ
 「誰が”たちの悪い問題”に手をつけるのか?:
  80年代経営科学における
  ハードvsソフト論争に学ぶ」
 (7時20分 – 8時00分:質疑10分含む)
  ・長岡健氏(産業能率大学)
  従来の方法では対応できない”たちの悪い問題”に
  どう向き合うか。80年代の経営科学者たちの
  議論をもとに、今日の企業研修をめぐる問題を
  読み解いてみたいと思います。
 □コメント
 (8時00分 – 8時30分:各5分~10分程度)
  ・古賀暁彦氏(産業能率大学)
  ・柴田喜幸氏(日本能率協会マネジメントセンター)
  ・張士洛氏(日本能率協会マネジメントセンター)
 □ペアディスカッション
 (8時30分 – 8時40分)
  お隣3名程度で自己紹介をし、20分間
  ディスカッションをしていただきます
 □全体質疑応答
 (8時40分 – 9時00分まで)
  講演者をまじえ、質疑応答を行います
 
 □Wrap it up!セッション
 (9時00分 – 9時05分まで)
  ・中原 淳
 
○場所
東京大学 工学部2号館 9F 93B1-B2
大学院情報学環 教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html 
(※上記の地図を印刷のうえ、お越しください)
 
○参加費
 1000円(一般・学生)
(運営費等に支出いたします)
 
○参加者
 参加をご希望の方は下記のフォームをご利用のうえ、
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpの
 メールアドレスまで、お申し込みをお願いします。
〆ココカラ=======================================
 参加申し込みフォーム
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 〆切は4月20日までです
————————————————-
氏名:
フリガナ:
所属:
メールアドレス:
〆ココマデ=======================================
=================================================
Serious Learning bar@Todai 2007
ワークプレイスラーニング・フォーラム
GWスペシャル企画第二弾!
“プロフェッショナルは
   どのようにして一人前になるのか?”
2007年5月9日(水曜日)東京大学
=================================================
 2007年5月のLearning barは、北海道よりスペシャル
ゲストをお招きいたします。
「プロフェッショナルの熟達化研究」で著名な研究
成果をあげられている、小樽商科大学 商学部の
松尾睦先生です。
松尾睦先生
http://www.otaru-uc.ac.jp/~mmatu/
 松尾先生は、営業、ITコンサルタント、プロジェ
クトマネージャー、看護士など、様々な「プロフェ
ッショナル」が「一人前」になっていく過程を調査
研究なさっています。
 一昨年、上記の研究成果をまとめた「経験からの
学習」という専門書を上梓なさり、非常に話題にな
りました。
経験からの学習
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4495375814/nakaharalabne-22

 5月のLearning barでは、
 1.一人前になる(熟達)とは何か?
 2.人はどのようにして一人前(熟達)になるか?
 3.プロフェッショナルの熟達化の実際は
   どのようなものか?
 について、解説いただけるものと思います。
 昨今、認知科学/学習科学では、熟達化研究が盛ん
になっており、その観点からも、非常に興味深いお
話が聞けるものと思います。
 参加をご希望の方は、下記のフォームに必要事項
をご記入のうえ、4月末日までに
sakamoto [atmark]tree.ep.u-tokyo.ac.jpまでご
連絡下さい。
 ふるってご参加下さい。
 
     企画担当:中原 淳(東京大学・准教授)
 ※Learning bar / Cafe (Seriousを含む)は、NPO法人 Educe Technologies主催  で、中原淳が今回は、Serious learning barとして実施します。
 飲食はこちらでは用意しません。各自お持ち込み
 ください。
 
 —
○主催
 NPO法人 EDUCE TECHNOLOGIES
 http://www.educetech.org/
 
 EDUCE TECHNOLOGIESは、教育環境の構築に
 関する調査、研究、コンサルティングを行う
 非営利特定活動法人です。
 
 企画担当
 副代表理事 中原 淳
○共催
 東京大学大学院 学際情報学府 中原淳研究室
http://www.nakahara-lab.net/
 
 
○日時
 2007年5月9日(水曜日)
 午後5時45分より午後9時まで
 
 ※時間が限られておりますので、定刻通り
  に始めます。本郷キャンパスは意外に
  広いです。くれぐれも、迷子になりませんよう
 
 
○内容(案)
 □開場
 (5時45分)
  ・今回は、Serious Learning barとして
   実施します。ので、飲食はこちらでご用意
   しません。各自、お持ち込みください。
 □Serious Learning barのご紹介と企画趣旨
 (6時00分-6時15分)
  ・中原 淳(東京大学)
 □講演前半
 「人はどのように熟達し、経験から学ぶか?」
 (6時15分 – 7時15分)
  (20分講演+10分質疑)×2セット
  ・松尾睦先生(小樽商科大学)
  認知心理学や経営学において、熟達化や
  経験学習がどのように研究されてきたか
  を簡単に紹介いたします。
   – 10分トイレ休憩 –
 □講演後半
 「さまざまな職種の経験学習」
 (7時25分 – 8時25分)
  (20分講演+10分質疑)×2セット
  ・松尾睦先生(小樽商科大学)
  営業担当者、ITコンサルタント、プロジ
  ェクトマネジャー、看護師の経験学習プ
  ロセスを、実証データに基づいて、報告
  いたします。
 □ペアディスカッション
 (8時25分 – 8時40分)
  お隣3名程度で自己紹介をし、15分間
  ディスカッションをしていただきます
 □全体質疑応答
 (8時40分 – 9時00分まで)
  講演者をまじえ、質疑応答を行います
 
○場所
東京大学 工学部2号館 9F 93B1-B2
大学院情報学環 教室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_03_j.html 
 
 
○参加費
 1000円(一般・学生)
 (講師謝金、運営費等に支出いたします)
 
○参加者
 参加をご希望の方は下記のフォームをご利用のうえ、
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpの
 メールアドレスまで、お申し込みをお願いします。
 
 
〆ココカラ=======================================
 参加申し込みフォーム
 sakamoto [at mark] tree.ep.u-tokyo.ac.jpまで
 4月30日までにお申し込み下さい
————————————————-
氏名:
フリガナ:
所属:
メールアドレス:
〆ココマデ=======================================

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