NAKAHARA-LAB.net

2007.4.14 10:24/ Jun

ITを駆使した歯医者さん

 先日、地域で評判がいいという、歯医者さんにでかけた。
 特にどこが痛いというわけではなかったけれど、ある人に「30をこえたら、定期的な検査とクリーニングはしたほうがいい」と言われたのがきっかけだった。
 ある調査によると、35歳から45歳までの実に80%の人が、歯周病にかかっている。
 実際に歯を失う人は、虫歯による抜歯ではなく、歯周病の結果なのだという。要するに、歯周病が悪化して、歯槽膿漏になって、歯がグラグラして抜けちゃう、ということである。
 —
 診療室にはいって、びっくり。そこに広がっているのは、僕が今まで目にしたことのある、いわゆる歯医者さんの「光景」ではなかった。
 診療室には、常に5人以上の患者がシートに座っていて、隣で使われているドリルの音に身震いする。シートにすわれば、あとはおまかせ、どのような治療を行っているかは、よくわからない、という、いわゆる「僕のよく知る歯医者さん」とは、全く異なっている。
 診療は完全個室。シートの前には、LCDモニタが装備されている。歯医者さんの使うテーブルには、ノートコンピュータが置かれていた。
 診療はITを駆使して行われる。レントゲン予約は歯医者さんのコンピュータから。検査結果は、すぐにLCDモニタに表示される。
 インフォームド・コンセントなのだろうか、「これから行う診療が、どういう意味をもっているのか」は、パワーポイントを使って解説がなされる。
 これから治療しようとする歯を、小型カメラ・デジタルカメラで撮影し、それをLCDモニタで見ながら、解説を行う。
 結局、数々の検査の結果、僕は、結局、クリーニングだけですむことになった。何度か通わなければならないようだけれども(時間確保が難しそうだ・・・)。
 聞くところによると、「定期検査はできれば半年に一回来てください」とのこと。そういうのを「予防歯科」というのだそうだ。
 —
 詳しいことは知らないけれど、アメリカに留学中、何人かの人から、こんな話を聞いたことがある。
「歯科技術の点では、日本はアメリカから20年遅れている。
歯の白さ、健康さが社会的ステータスになるアメリカでは、治療も高度に専門化され、抜歯、歯茎など、それぞれに専門の歯医者さんがいて、チームとして医療にあたる。
保険でカバーされる部分が少ないため、治療費は非常に高額である。だから、どこか痛いところがなくても、予防のために歯医者さんにかよう人が多い」
 ホントウかどうかは僕は知らないけれど、googleでいろいろ検索して、いろいろな人のblogを読んでみると
、あながち間違いでもないのかな、と思った。
 特に「予防歯科という考え方が、日本よりも広まっている」のは、まず間違いがなさそうである。
 神経治療のあと、かぶせものをするような深刻な虫歯になった場合にかかる数十万の治療費を考えれば、そういう深刻な状況を事前に「予防」する方が、合理的ということになるんだろう。
 —
 これまで、僕は、歯なんて「歯磨きしてればOK」なのだと思っていた。いちおう、人並み以上には気をつかって、超音波歯ブラシを選び、歯間ブラシをつかっていたけれど、それでもまだ不足だったのかもしれない。
 家の近くによい歯医者があるのは幸せだったかもしれない。これを機に、定期的に歯医者にも行こうと思う。

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