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2007.2.14 08:02/ Jun

家族みんなのハッピー度

 今から2ヶ月前、実は僕とカミサンは「子ども」をもつにあたり、実は、下記の方針を申し合わせました。
 —
1.「親のハッピー度」と「子どものハッピー度」は相関することも多いが、時にトレードオフになることもある
2.「親のハッピー度」と「子どものハッピー度」の総量をあらわす概念として「家族みんなのハッピー度」をおく。
3.「家族みんなのハッピー度」を最大化するよう、我が家の意志決定をおこなう
4.3の意志決定に王道はないことを認める=後からお互いを責めない
5.3の意志決定をおこなった場合、そこで生じる結果を、親と子どもは引き受けて生きていく
 —
 たとえばこういうことです。
 今、我が家で結構ホットな話題になっているのは、一年後、どの保育園に通うかということです。
 僕の住んでいる地域は、保育園については大変恵まれている地域です。たくさんの保育園があります。
 中には、家からはかなり遠いのだけれど、教育方針が世界的に有名な保育園もあります。
 また、家から1分も歩かないところに、我が家のように「共働きの家庭」にフィットした様々なサービスを展開してる無認可の保育園もあります。
 おそらく、この場合、教育的なことだけを考えれば、つまり「子どものハッピー度」だけを考えるのであれば、たとえ「親のハッピー度」を犠牲にしても、家からは大変遠い有名保育園に通わせるという選択肢をとるのだと思うんですね。
 それがおそらく親として「コレクト」だろう、と思うんです。ただ、そうなりゃ、もう大変。仕事は途中で抜けなければならないわ、おそらく親には余裕がなくなる。
 でも、おそらく、我が家はそういう意志決定をしない、ということです。
 我が家は、教育的には無名でも、家から近い保育園に通わせると思うんです。もちろん、めちゃくちゃヤバイところに子どもは通わせたくないけれど、ある程度のところであればよいと判断したいのですね。
 そうすると、「親のハッピー度」があがります。かなり楽に仕事をしながら子育てはできる。
 で、僕は思うのです。そこで生まれた親の心の余裕は、絶対に子どもに伝わる。余裕があれば、子どもと会話をしたり、遊んだりもできる。
 だから、結果として、「子どものハッピー度」も向上する。ひいては、「家族みんなのハッピー度」が最大化することにもつながると思うんですね。
 もちろん、上記は「わたしの教育論」です。また、厳密に言えば、ちょっと論理展開に無理があるのだけど、ここでは敢えてそこには触れません。
 ただ、我が家のような家庭の場合、子どもの教育を考える際に、「子ども」だけを対象にするのではなく、「それによって親がどうなるか」「親と子どもを含めた環境、親子関係がどう変わるか」を考えなくてはならない。そういう意志決定をおこなうべきだと、思うようになりました。
 上記のような考えは少し変なのかもしれません。が、今のところ、「僕の子育て論」的には、これが正しいのではないか、と考えています。
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