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2007.1.14 11:16/ Jun

あなたはどこで最期を迎えますか?:在宅で死ぬということ 押川真喜子著

 あなたは、病院で最期を迎えたいですか? それとも家ですか?
誰に看取って欲しいですか? 医者ですか、それとも家族ですか?
 —
 押川真喜子著「在宅で死ぬということ」を読んだ。聖路加国際病院 訪問看護科のベテランナースである押川氏が、10数年にわたって見続けた「在宅での死」の実話を綴っている。

 「楽になりたいの、そう思うのはいけないこと?」とつぶやき最期を迎えた20歳女性。「いちばん大切なのはばあさん、人生悔いなしだなぁ」、と大往生を迎えた87歳男性。一口に「在宅の死」というけれど、人それぞれ。いろいろな「死」がある。
 人間は、生まれてから一歩一歩、確実に死に向かって歩み続ける動物である。そういったのは、どの哲学者だったか。何人たりとも「死」を避けることはできない。ゆえに、本書で提示されている「死」は、決して他人事ではない。どのように生きるか、と同時に、どのように死を迎えたいか、ということは、誰もが考えなければならぬことである。
 それにしても、訪問看護士というのはキツイ仕事だと思う。仕事で出会う人々は、ほぼ死を直前に控えた人たちだ。単に彼らを看護・介護するだけでなく、彼らの家族の精神的なケアもおこなう必要がある。
 病院で仕事をするのなら、「医学」「検査データ」という後ろ盾をつかって患者や家族を説得することも可能かもしれないが、在宅ではそれもできない・・・。
 一口に家族といっても、死生観は微妙に異なる。患者の死生観と家族のそれが異なることは、よくおこることである。
 また在宅で患者を看護・介護するというのは、口で言うのは簡単だけど、とてつもない負担である。長期にわたることも多いし、ゴールなど、誰一人としてわからない。時には家族が病んでいく場合もないわけではない。
 —
 ・・・僕は今年32歳になる。自分ではまだまだ「死」は遠いところにあると思っているけれど、それは誰もわからない。確実なことは、僕にも、いつか死は訪れる。
 僕は、どのように死にたいか。誰に看取られて、最期を迎えるか。読みながら、深く考えさせられた。

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