NAKAHARA-LAB.net

2007.3.20 15:25/ Jun

レゴエデュケーションセンターの見学

 先日、Learning barで講師をつとめてくださった石原社長が経営している「子ども向けのLEGOスクール」を、昨日見学させていただいた。
Learning bar
https://www.nakahara-lab.net/blog/2007/03/lego_serious_play_2.html
LEGO Education Center
http://www.mdstorm.com/class/index.htm
 訪れたのは、吉祥寺の校舎。ここでは、2歳から12歳までの約180名の子どもたちが、1週間に一度、LEGOブロックをつかった作品作りに取り組んでいるという。
lego1.jpg
 作品づくりといっても、単に自分の好きなカタチをつくるというだけではない。
 1年生~2年生では、てこ、クランク、滑車、ギアなどの機構を学びはじめ、3年生くらいからは、Mindstorm(ROBOLAB)というソフトウェアを使った制御も学習する。
 指導案・カリキュラム、ワークシートを見せてもらったが、非常に見事なものだった(石原社長はレゴ本社でグローバルカリキュラムの開発にも携わっていらっしゃるそうだ)。
 レッスンは最大で5名の子どもたちに1名の先生がついて行われる。この日は、先生1人につき2名のグループと、1人につき3名のグループ、計2グループ5名が同じ時間に学習していた。
 中には、ワイパーをつくっている子ども、キャタピラで戦車らしきものをつくってる子どもなどがいた。より高学年のレッスンでは、ROBOLABをロボットの制御に取り組んでいた。
「自分の子どもの頃に、こんな教材に出会っていたらなぁ」
 と、同行した大学院生も同じことを言っていたのが、印象的だった。
 僕自身は、オヤジが技術屋だったので、幸いに、電子工作などをする機会に恵まれた。が、やはり、それはかなり敷居が高い。とても子ども一人でできるものではなかった。
 かつて「電子工作」と呼ばれていたものの「本質」を手軽に行える、という意味では、素晴らしい教材だと思った。
 最後に見学をご快諾いただいた石原社長に、この場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。

追伸
プログラミング環境の「ROBOLAB」がめざましい発展を見せているのにびっくりした。
lego2.jpg
 今のROBOLABは、協調行動をプログラミングしたり、音楽を演奏したり、遠隔地のロボットを制御したりできるんですね。5年以上前、僕がLEGOのプロジェクトをやったときは、そんな機能はなかったけれど。これは、タフツ大学で開発されているそうです。留学していたときに、ぜひ、訪れたかったなぁ・・・。
Tuft University CEEO
http://www.ceeo.tufts.edu/
 —
追伸2.
 研究のネタを思いついた。コンストラクショニズムの学習効果に関する研究。様々な条件下でロボット制作などをやらせてみる実験的研究。コンストラクショニズムの学習効果というのは、あまり聞いたことがないなと思った。調べてないから、わかんないけど。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.4.28 08:31/ Jun

優れたリーダーは「かつがれ力」を発揮する?

2025.4.24 12:39/ Jun

あなたの近くに「崩壊」しているものはありませんか?:「崩壊」は突然「ちゅどーん(爆音)」ではない!

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

2025.4.14 18:11/ Jun

あなたは、データを「愛していますか」?:データ自体が何かを「語り始める」くらいまで、あなたは、データに向き合っているのか?

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

2025.4.6 18:11/ Jun

自分の所属する「組織(ハコ)」によって、あなたは「有能」にも「無能」にもなりえる件

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?

2025.4.1 18:20/ Jun

わたしのサバティカルは「旅するサバティカル」and「学び直しのサバティカル」に決めました!:「ひょっこり・ひょうたん島」で「錆び付いた刀」を研ぎ澄ます!?