2010.7.6 09:21/ Jun
京都大学で開催される「大学生研究フォーラム2010」というイベントで、小生、講演をさせていただくことになりました。
大学生研究フォーラム2010
http://www.dentsu-ikueikai.or.jp/forum/forum2010.html
(京都大学高等教育研究開発推進センター・電通育英会共催)
「企業のことを研究しているオマエが、なんで大学生研究フォーラムで講演すんのか」という「素朴でまっとうな疑問」が四方八方から飛び出してきそうですが、正直言うと、僕もそう思う(笑)。だよねー。
だけれども、主催者の一人で、昔からいろいろとアドバイスと励ましをいただいている溝上慎一先生(京都大学)によると、「それで、いいのだ」そうです(笑)。
なにやら大学生研究のフロンティアでは、「学生研修」という考え方が生まれているので、それが「接点」になるのだそうです。「中原君は、自分のことを喋ってくれたらえーのや」とのことでした。
というわけで、そんな溝上先生の強いお言葉を信用して、お引き受けすることにしました。
下記が講演の要旨です。
正統的な「大学生研究」が目白押しのフォーラムの中で、小生、「色もの」として、議論に「花」をそえたいと願います。
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企業における人材育成のフロンティア:
敢えて「企業人材育成」から「大学教育」を考える
中原 淳(東京大学 大学総合教育研究センター 准教授)
加速することはあっても、とどまることをしらないグローバル化の荒波の中で、企業は、持続的な競争優位を確保するため、人材育成に注力している。企業が内部に有する資源 – その中でも、取り分け「人材」こそが、企業の競争優位を支える源泉たりえるという認識が広まっているからである。
本講演では、企業人材育成の現在の潮流を概観することを目的とする。高等教育機関を卒業した若者は、いかに組織の中で社会化されるのか。どのような職場のネットワークの中で熟達していくのか。どのような経験の中で、リーダーになっていくのか。そして、組織が内部にもつべきコアコンピタンスをいかにして維持していくのか。講演では、理論・企業事例を踏まえて、上記のような内容について話す。
企業の人材育成の現状は、多くの大学教育関係者、高等教育関係者にとって、あまり耳にすることはないかもしれない。また、企業をメタファとして大学教育を考えることは、必ずしも適切であるとは言えないかもしれない。企業と大学は違う。この事実は、強調しすぎてもしすぎることはないし、講演者もよくわかっている。
しかし、高等教育機関と職業領域のスムーズな移行(School to Work transition)が、政策課題にものぼっている今、大学関係者が企業においてどの程度人材が課題になっているかを知ることは、全く意義のないこととは言えないだろう。また、自らの教育実践を内省するためのひとつのきっかけになると思われる。
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もしご興味がおありでしたら、どうぞおこしください。
大学生研究フォーラム2010
http://www.dentsu-ikueikai.or.jp/forum/forum2010.html
(京都大学高等教育研究開発推進センター・電通育英会共催)
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■2010年7月5日 中原のTwitterタイムライン
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