NAKAHARA-LAB.net

2008.12.25 12:56/ Jun

「修羅場の経験」を売る!?

 先日、酒井穣さんとお話ししていたとき、面白い話を耳にしました。
 世界でも有数のビジネススクールである、IMDでは、「修羅場の経験を売る」というプログラムがあるそうです。僕は詳細はよく知らないのですが、とても興味を持ちました。
 学習課題は、「発展途上国の、まさに今発展の途上にある企業を経営してみる」という課題だそうですね。学習課題とはいいますが、「課題」という言葉で表現できないよね。これは「本当の経営」です。
 もし万が一、経営が軌道にのれば、発展途上国の企業にとっては、幸せですね。派遣する先進国の企業からしてみれば、自社の幹部候補生が「修羅場の経験」を通して、「一皮むける」きっかけになることを期待しているのかもしれません。
 高い金をだして、有名ビジネススクールから教授を招聘し、クラスルームの授業を受けさせて、それでも見事に転移しないよりは、よほど有望な手法だと考えるのかもしれません。
 おそらくは、IMD側には、最初のマッチングと、途中のメンタリングやサポートを期待されるかもしれませんね。
 —
 「コンテンツを売る」から「経験を売る」へ。素直に面白いな、と思いました。教育のよしあしは、コンテンツの善し悪しだけではなく、エクスペリエンスの善し悪しにある、という風な話なのかもしれません。
 そして同時に、高等教育機関として見た場合に、日本のビジネススクール、いいえ、日本の大学は「何」を売っていけばいいのかな、ということも含めて考えさせられました。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

「最近の学生」や「新入社員」を「十把一絡げ」にする「便利な言葉」が嫌いなのである!?

2025.8.31 08:12/ Jun

「最近の学生」や「新入社員」を「十把一絡げ」にする「便利な言葉」が嫌いなのである!?

2025.8.26 20:52/ Jun

【無料イベント参加者募集中】アンコンシャスバイアス研究の最前線!:アンコンシャスバイアスとうまく付き合う方法をさぐる!?

【イベント参加者募集中】若手社員と学生の本音から考える「新卒オンボーディング」

2025.8.25 18:16/ Jun

【イベント参加者募集中】若手社員と学生の本音から考える「新卒オンボーディング」

大学教育の改善は「データ」だけでは進まない!? : 高等教育機関のIRについて思うこと!?

2025.8.14 21:25/ Jun

大学教育の改善は「データ」だけでは進まない!? : 高等教育機関のIRについて思うこと!?

2025.8.7 19:10/ Jun

ポジティブフィードバックも、ネガティブフィードバックも学べる決定版!「増補改訂版 フィードバック入門」本日発売です!