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2013.8.7 10:11/ Jun

<弱いわたし>のダイエット私論!? :「衣服による制約」と「どストレートな他者」

 この2ヶ月、小生、密かにダイエットに取り組んでおりました。
 10年前と比べて4キロくらい体重が、少しずつ少しずつ増えておりました。あたかも、お腹回りに「薄皮」を巻いていくかのように・・・(オッサンの薄皮巻という感じですな・・・苦笑)。
 で、そろそろ、大台の70キロを超えそうだったので、ベスト体重の66キロー67キロまで、落とそうと思ったのです。
 ダイエットといっても、特にハードなものではありません。自分のできる範囲で、やるべきこと決めて、毎日コツコツに行動を継続するだけです。
 フィジカルに執り行った施策(?)は、毎朝、腹筋をすること。朝食・昼食の量を、「ちょい抑えめ」にすることです。間食もなるべく避けました。
 2ヶ月かけて、無事、現在、67キロですので、何とか元の体重近くまで、戻った感じです。
 めでたし、めでたし。
   ▼
 ダイエットといっても、僕は専門家でもなんでもありませんので、効果的な方法はわかりませんし、あまり興味がありません。
 結局、「自分の身体的特徴と身の丈にあった体重管理の方法は、自分で考えなければならない」というのが、僕の結論です。
 ただ、自分は、もともと「かなり太りやすい体質」なので、人一倍気をつけているつもりです。これまでにも、何度も何度も、ダイエットに取り組んでおりますので、「ダイエットの方法」を自ら考えることには、人並み以上に取り組んでいるような気がします。
 で、その経験からすると、「体重管理」で大切なことは、実は「フィジカルな運動」や「食事節制」ではないように思っています。
 先ほど書いたことと矛盾するようですが、それらは、体重が予想以上に増えちゃった場合に採用される「場当たり的な対処療法的」であり、根本的な解決には、なかなか至りません。
 むしろ、「日常的に、自分の体重を管理していくための方法を考えた方がよい」ような気がします。全く個人的な意見ですが。
 僕は専門家ではないので、あくまで僕の場合という「ただし書き」がつきますが、運動や食事節制よりももっと大切なことは、「自分の体重をマネジメントしていくために人工物と他者をいかに利用していくか」にあります。
 すなわち、第一の視点「人工物」とは、自分が太ったこと、身体に変化が生じたことを、どのように人工物を利用して把握し、制約をかけるか、ということです。
 第二の視点「他者」とは、「最近太った?」「なんか、顔むくんでない?」と「どストレート」に言ってくれる「第三者」を、いかに持つか、ということです。
 こうした「人工物」や「他者」の日常的利用こそが、己の体重をモニタリングし、コントロールするための外部環境として機能する気がしています。
  ▼
 もう少し具体的にいいますと、たとえば、「人工物」のところで、最も影響をもっていると考えられるのは「日常、自分が着用している衣服」であるような気がします。
 僕が心がけているのは、日常的に、敢えて「タイト気味の衣服」を選ぶこと。タイトな衣服とは、体重の変化にセンシティブです。すなわち、体重が増えれば、すぐにきつくなりますので、「あ、痩せなアカンな」と思えるようになります。
 逆に、絶対にしてはいけないと思われることは「少し太ったとしても、着ることのできる衣服」を選ぶことです。これをやってしまうと、「落ちるところまで、落ちます」(笑)。要するに「もともとルーズな衣服が、タイトに感じられる」まで、自分の体調変化に気づかない、ないしは、行動を抑制しない、ということです。
 第二の視点「他者」とは、そのまんまです。
 体調の変化、身体の変化を、そのものズバリ、「どストレート」に指摘してくれる人が身近にいるかいないかで、体重管理のモティベーションが変わるでしょう。
 あるいは、体重の変化、身体の変化に対して非常にセンシティブな人々の社会ネットワーク中に、自分が入っていれば、太ってしまった場合に、行動抑制がかかる可能性が高くなるのではないでしょうか?
(このあたりは、ネットワーク論の議論と重ね合わせると面白いかもしれませんね)
 逆に、「他人が太ったこと」を、「ししし、ざまーみろ」なんて心の中で思いながら、「もっと食べなよ、その方が健康的だよ」といってしまう人々が周囲にいれば、行動に制約はかかりません。
 あるいは「食って、食って、太っていくこと」をよしとする社会的ネットワークの中に、自分がいれば、おのずと、そういう行動をとってしまうように思います。
 ま、データも根拠ないけど、
 何となく、直感的に、そう思います。
 自戒をこめていいますが、人は流されやすいので。
 ▼
 今日は、専門外のことを書きました。「ついに、あいつもダイエットまで論じるようになったか」という嘲笑が聞こえてきそうですが、今日で最後になると思います。
 というわけで、いつにもまして、「真に受けないでいただきたい」のですが(笑)、よくよく考えてみますと、それほど専門分野で僕が主張していることと離れていない、とも思います。
 おそらく、僕の思想的根幹・行動の基盤をなしているのは、「自己の弱さ」であるような気がします。
 僕は、僕という人間自身が「意志が弱いこと」「行動を継続するモティベーションがあまり強くないこと」を知っています。そういう人間観のもとで、いろいろな研究をしています。
 だからこそ、この「弱さを抱えた脆弱なわたし」をいかに、外部環境を通じてモニタリングし、コントロールしていくかについて、興味があるのかもしれません。
 それが、ダイエットの場合は、「タイトな衣服」と「どストレートな他者」であるということになるのかもしれませんね。
 世界はつながっているんだね。
 そして人生は続く

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