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2006.8.20 08:58/ Jun

カミュの愛したレモネード(ロリーナ)

 先日行ったレストランで、アルコールを飲むことのできないカミサンがレモネードを注文しました。そこででてきたのが「ロリーナ(Lorina)」という銘柄のピンクレモネードなのです。
rorina.jpg
ロリーナピンクレモネード330ml
 
 通常レモネードといえば、砂糖をこれでもか、と使ったお品が多いと思うのですけれども、このレモネードは甘みを相当抑えており、後味はすっきりしていました。
 ピンク色のジュースに日の光があたると、ふちが青く反射します。その様子がとても綺麗だなぁと思っていました。
 ちなみにロリーナは、カミュが愛したレモネードといわれているそうです。
 もちろん、「異邦人」を著したアルベール・カミュね、セイン・カミュじゃないよ。
カミュの「異邦人」を僕が読んだのは学部時代の頃になります。なんだか取り留めない話が、淡々と続く展開に面食らった思い出があるのですね。
「きょう、ママンが死んだ」という「おいマザコンストーリーかい?」っていう文章から話がはじまり、何だかしらないうちに女性トラブルで殺人をおかしてしまう主人公のムルソー。裁判では、母の死に際して涙を流さなかったことなどが理由で、非人間的な人格の持ち主というラベリングを受けます。
 そして有名なシーンですね。裁判が進み、最後に殺人の動機を尋ねられたとき、ムルソーは、あまりのダルさにキレるのですね。彼は言い放ちます。「それは太陽のせいだ」。
 こういう風にあらすじだけ書いてしまうと、なんだかわけのわからない物語になってしまうのだけれども、実は深い話だったと記憶しています。
 宗教のつくった規範とか、説教臭い社会のルールは、人間の心の機微をとらえることはできない、という話だったように思うのだけれども。ごめん、忘れた、ぜひカミュを読んでください。

 カミュの愛したレモネードを飲みながら、読むといいのではないでしょうか。200ページもない、とても薄い本だし。

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