2006.7.4 20:00/ Jun
本日の朝日新聞に載っていた谷川俊太郎さんの詩。ちょっとステキだな、と思ったのでご紹介。
「ことばあそびうた」「わらべうた」など、彼が子ども向けに書いた詩が、僕は好きです。「声にだして読んで楽しい」一方で、オトナでも、とても考えさせられる。
—
ほんはほんとうは
しろいかみのままでいたかった
もっとほんとのことをいうと
みどりのはのしげるきのままでいたかった
だがもうほんにされてしまったのだから
だから
むかしのことはわすれようとおもって
ほんはじぶんをよんでみた
「ほんとうはしろいかみのままでいたかった」
とくろいかつじでかいてある
わるくないとほんはおもった
ぼくのきもちをみんながよんでくれる
ほんはほんでいることが
ほんのすこしうれしくなった
(谷川俊太郎「すき」所収)
—
「ほん」は最後に「ほんのすこしうれしくなった」と語る。この「ちいさな幸せ」を「あぁよかったな」と歓迎しつつも、どこか切なくなるんだよなぁ。
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