NAKAHARA-LAB.net

2007.8.23 19:00/ Jun

目標値実証主義

 先日、ある研究会にでて、久しぶりにこのような語り方を聞いた。
「理想の学習とは個別学習にある。教材をシステマティックに設計すれば、そうした理想を実現できる。共同学習はノイズが多く、理想の学習が成立するならば必要ない」
 これに関しては、佐伯胖先生(青山学院大学)が、UT Open Course Wareで公開されている講義の中で、1960年代の教授工学黎明期、プログラム学習について振り返っている。
佐伯先生・UT OCWの学術俯瞰講義
rtsp://real1.itc.u-tokyo.ac.jp/UTOCW/06/gakujutsufukan_saeki01_3.rmvb
 45年たっても、目標値実証主義は、何一つ変わっていない。もちろん、それ自体が悪いわけではない。
 が、個別学習を「理想型」におき、其れ以外の学習 – たとえば協調学習を「ノイズの多いもの」とみなす見方は、とても承伏できない。1960年以降の学習研究の知見は何だったのだろうか、と思う。
 深い溜息がでる。

ブログ一覧に戻る

最新の記事

 あなたの組織には「DE&I(多様性・公正・インクルージョン)」を阻む「3つの壁」が存在していませんか?

2024.5.17 08:34/ Jun

 あなたの組織には「DE&I(多様性・公正・インクルージョン)」を阻む「3つの壁」が存在していませんか?

高齢化による人材開発・組織開発のスキルの「世代継承問題」!?

2024.5.13 08:20/ Jun

高齢化による人材開発・組織開発のスキルの「世代継承問題」!?

2024.5.10 11:01/ Jun

新刊「リーダーシップシフト」完成しました!:全員参加型チームをいかにつくるのか?:もうマネジャーは、ひとりで抱え込まなくていい!

あなたの組織には「社員の主体性」をねこそぎ刈り取る3つの要因がありませんか?

2024.5.10 08:32/ Jun

あなたの組織には「社員の主体性」をねこそぎ刈り取る3つの要因がありませんか?

同じようなビルと、同じようなテナントが、果てしなく続くユートピア!?

2024.5.7 08:35/ Jun

同じようなビルと、同じようなテナントが、果てしなく続くユートピア!?