2007.7.8 10:20/ Jun
ある先生から、「組織学習(Organizational learning)について講義を考えて、シラバスをつくって欲しい」というお題をいただきました。やったことのない領域ではありますが、関係は大ありなので、謹んでお引き受けすることにしたのですが、うーん、なかなか大変。
時間が空いたときを見計らって、少しずつ文献を読んで選定しているのですが、どうも、読めばよむほど、だんだんとわからなくなってしまいました。で、シラバスがごちゃごちゃになってる。
「組織学習って何だろ?」
よもや、組織が、ねじり鉢巻きで、鉛筆を舐めナメ勉強するわけじゃないですから(笑)。なかなかわかりにくい概念です。
—
組織学習は、教科書風にいうと、こういうことだと僕は理解しています。そのスジの専門家に聞かれたら、「裏拳」で首筋にチョップをお見舞いされそうな「オレ流理解」ですが、こんな感じ。
1.外部環境が急速にバンバン変わって、予測が不能な状況の中で経営を行っている組織Aがある。「ひょえー、この荒波、どないせーっちゅうねん」って感じ。
2.組織Aのような状況では、「中央」が戦略や計画を策定して、それを着実に組織として実行するような「計画的コントロール」が難しい。
3.ゆえに、組織Aは、環境に応じて常に変化せざるをえない宿命を負ってしまってる。「変化こそが戦略」。ハムレット風に喩えるならば「Change, or not to change, That is the problem」って感じ。Changeするしかない。
4.組織Aの構成員(メンバー)は、個人として、仕事や経験、他者とのコミュニケーションを通じて学んでおり、新たな事業や新たな戦略を生み出している。
5.3が集合知として組織Aにおいて共有されるとき、組織Aは、外部環境に適応できるような「常に変わり続ける組織」でいられる。
6.1から5のような内部インタラクション、外部インタラクションを総括する現象を「組織学習」とよぶ
うーん。
似た言葉に「学習する組織」ってのもありますが、僕の理解が正しければ、学習する組織は、「組織学習」の一類型で、MITの研究者ピーター=センゲによって提唱されたものですね。彼によると、学習する組織とは、
「人々が継続的にその能力を拡張し、望むものを創造したり、新しい考え方やより普遍的な考え方を育てたり、人々が互いに学びあうような場」
だそうです。
—
いや、字面の定義は知っているのです。でも、まず、それが具体的にイメージできない。具体的にどういう光景が見られたら、「学習する組織」「組織学習」って考えていいんだろう。
あと気になるのは、「実践共同体理論」「アクターネットワーク理論」「熟達化理論」など、関連する理論体系があるように思うんだけど、それらとの違い、共通点を僕が整理できていない。だから、何となくオボロゲな理解になってしまっているのです。これではダメですね。
いろいろ調べてみたら、大学の経済学部に文献があるようです。ちょっと週明けに行ってみようと思いますけど。
うーん、うーん、どういう授業しようかな。
モンモンとした週末。
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