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2007.4.3 07:16/ Jun

英会話学習は「桜」に似ている!?

 春の風物詩といえば、多くの人たちは「桜」をあげます。それもそうでしょう。まだ少し肌寒い夜空に映える薄桃色には、人の心を惑わす何かがあるようです。
 龍田山
 見つつ越え来し
 桜花
 散りか過ぎなむ
 我が帰るとに
 (大伴家持)
 万葉集の太古の昔から、人が桜を賞揚する様子は、変わりません。春といえば「桜」であることに疑いをもつ人は、なかなかいません。もちろん、僕個人も「桜」が好きです。
 しかし、僕には、これ以外にも「春」を感じさせるものがあります。何だかわかりますか?
 ヒント。それは、僕が、毎週の本屋めぐりの中で、見つけるものです。
 
 
 
 
 
 答え。
 本屋にうず高く積まれているNHK出版のラジオ英会話のテキスト。
 英会話のテキストが一番売れるのは「春」。春になるたびに、本屋には「英会話」のテキストが山積みされるのです。本当にスゴイ量だよ。
 この季節になると、みんな気を引き締めるのですね。
「嗚呼、今年こそ、英語をやらなくては」
 新年度のはじまる春は、決意の季節。畢竟、英会話のテキストをレジにもっていく人が増えます。
 実際、電車の中を見まわしてみると、嗚呼、いるいる、英会話のテキストを開いている人が。こうした光景を目にすることが最も多いのは、疑いなく春でありましょう。 
 
 
 ところが・・・嗚呼、人間は悲しい。
 おそらく、5月GWをこえるあたりでしょうか、ラジオ英会話のテキストを、電車の中で開く人は、めっきり少なくなります。
 夏になれば、見つけることが難しいくらい。秋や冬になれば皆無・・・。
 そして、また「新しい春」を迎えるのです。本屋の去年と同じ場所には山積みされた英会話のテキストを目にすることができます。そして、「今年こそは、頑張るぞ」という人々が、これを買っていく。要するに、この繰り返し。
「英会話学習」と「桜」はこの意味で、とても似ています。どちらも、春に「bloom」し、そして散る。しかし、決して終わったわけではない。そして、春はまた来るのです。
 散る桜のこる桜も散る桜
 
 (良寛)
 そう、散るからこそに美しい?

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