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2008.10.11 07:00/ Jun

Works最新号「外部パートナーとの協働」

 リクルートWorks最新号「外部パートナーとの協働」は、非常に面白い内容でした。まさに「我が意を得たり」という感じです。Works編集部の慧眼に敬意を示します。
Works
http://www.works-i.com/flow/works/contents90.html
 外部ベンダーを「出入り業者への発注」「丸投げの対象」としてみなすのではなく、「パートナーとの協働」とみなす。そんな時代は、「もうそこにある将来」なのかもしれません。
 特集号の中で、西山賢一先生が「ノットワーキング(Knot working)」の概念でご説明なさっていたように、「専門性をもった個人の集まりが、そのときどきの問題に応じて、集まり、問題を解決し、別れる」。企業人事部と外部ベンダーの関係も、そういう「動的なパートナーシップ」の時代に入りつつあるのだと思います。
(ノットワーキングは、活動理論をベースにした学習研究者ユーリア=エングストロームの提唱した概念です)
 そして、そのとき、問われるのは「問題にあたる個々人が、いかに自分の専門性を高められるか」という問題、そして「多様な人々が出会い、関係を維持するための道具立て – バウンダリーオブジェクト」の問題であると思います。
   ▼
 企業人材育成と大学のパートナーシップについても考えさせられました。
 ここ5年くらい、僕が関与しているプロジェクトのすべては、「企業との共同研究」です。そういう意味では、いろいろな経験をしてきました。今後もそれがさらに広まるとよいな、と思います。
 また、共同研究と言わずとも、Learning barやWorkplace learning2008などの「かかわりかた」もあるかと思います。
 大学と企業との関係は、いかにあるべきか。
 今後も、この命題には、具体的な行動をともないつつ、僕なりの答えをだしていきたいと願います。
 —
 ちなみに、大学と教育現場がどういう関係をとりもつべきか、は、最近様々な研究がでてきています(Peel et al 2002)。
大学と教育現場が、「One-way, One to one」(的場 2008)の関係 – つまりは大学教員個人と教員個人が、非対称な関係をとりむすぶという意味 – であった時代は終わりました。
 「教育現場の持続可能な変革」のために、大学には、何ができるか。教育現場には何ができるか。
 今、グローバルな規模で、この問いに対する挑戦がはじまっています。
 聞こえない?、その「足音」が?

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