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2007.10.28 09:35/ Jun

研究計画の作り方

 開発研究の研究計画をつくるときには、下記の項目について、それぞれ、ひとつの答えをだすとよい。
 WHO   誰が
 WHEN  いつ
 WHERE どこで
 WHOM 誰に対して
 WHY どんな目的で
 WITH WHAT FUNCTION どんな機能を使って
 WHAT どんなことを行うこと
 を可能にするシステムをつくるのか?
 それは、
 WHAT NAME どんなキャッチーな名前で
 HOW UNIQUE どんな点がユニークで
 HOW FEASIBLE 実現可能性
 はあるのか?
 —
 重要なことは「一切曖昧な答えをしない」ということである。あれもこれも、盛ってはいけない。ひとつの項目につき、「ひとつの答え」というのがポイントである。
 たとえば、WHOMの部分で「教師や生徒」と2つの主体を答えると、もう広すぎる。ひとつにするべきだ。
 というのは、それぞれの項目に2つの答えをだしてしまうと、システム全体としては、2の階乗の「曖昧さ」をもつものになってしまう。浮気性になってはいけない。勝負はピンポイントでよい。焦点を絞るべきである。
 —
「なんだか、それじゃ、味気ないな」と思う人もでてくるかもしれない。「これは、オレのやりたかったことと比べると、あまりにチンケすぎる」と。
 でも、「あなたが人生をかけて取り組む課題」と「今ひとつの研究で取り組める課題」をごたまぜにしてはいけない。
 One paper, One conclusion
 である。ひとつの研究で、一つ以上の事柄を対象にすると、それは論文とは言えなくなる可能性が高い。
 研究計画づくりとは、多くの「可能性」を捨て去ることでもある。
 しかし、無駄をそぎ落とし、完成した計画には、やはり「可能性」が眠っている。

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