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2016.11.28 06:54/ Jun

親にできることは「魚釣り」を教えること!?

 親と子どもには「宿命」があります。
  
 子どもより長生きする親はいない、ということ。
 子どもは、いつかは親元を離れるということ。
 その瞬間は、刻一刻と近づいているということ。
  
 しかし、いつまでたっても、フラフラしていて
 泣きべそをかいている、あなたがたを見ていると
 親の僕は、ときに不安になるのです。
  
 本当に、大丈夫かいな。
 ひとりで食っていけるのかいな。
 泣きべそかいてないで、しっかりせいよ。
  
  ▼
  
 日曜の夜は、家族で、動物番組を見るのが
 我が家の、いつもの習慣です。
  
 動物番組には、一定のパターンがあります。
  
 はじまりは、動物の紹介。
 そのうち、若い雄雌が出会い、恋をして
 新たな命が誕生するところで、番組が終わります。
  
 今、生まれてきたばかりの動物の赤ちゃんが、
 その小さすぎる身体を引きずりながらも、
 親に頼らず、自分の足でたち、
 自らエサを探す場面を見ていると、
 ついついこう思うのです。
   
 泣きべそかいてないで、
 おまえも、しっかりせいよ
   
  ▼
  
 残念ながら、親には、
 子どもの人生に最後まで伴走することはできません。
  
 子どもに、エサの魚を与え続けることは、
 親の僕には、できません。
   
 親にできることはわずかなことです。
 そのひとつは「魚釣りのやり方」を伝えること。
 魚がくるまで、根気よく待つことを教えること。
 今日は、どんなに釣果が悪くても、
 また清々しい朝が来ることを伝えること。
  
 あとは子どもが、自分で魚を釣って、
 生きていくほかはないのです。
 
 いつの日か、子どもは自らの力で魚釣りをします。 
 動物番組の赤ちゃんが、そうであるように、
 自分の力でエサを探さなくてはなりません。
  
  ▼
  
 11月28日、29日。  
 TAKUZO、KENZO。
 1日違いのお誕生日おめでとう。
  
 日々、魚を捕まえることに追われ、
 ついこないだまで泣きべそをかいていた僕が
 我が子の誕生日に願うこと
   
 そして人生はつづく
  
 ーーー
  
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追伸.
先週は、感染性胃腸炎にかかってしまいました(泣)。ブログお休みして申し訳ございませんでした。皆さんも、お気をつけ遊ばせ。もしかかったら、上から、下から、えらいことよ(笑)。

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