NAKAHARA-LAB.net

2014.5.30 08:09/ Jun

往生際の悪い!?プレゼンテーション

 今日はプレゼンの話。
「最後まで往生際が悪い」といえば、それまでなのですが、講演やセミナーなどで、自分が登壇するとき、登壇する1分前、まさに直前ギリギリまで、プレゼンの内容を変え続けることを実践しはじめて、もう15年以上がたちます。
 場合によっては、講演最中に、たとえば参加者の方々にペアトークなどをして時間が少し空いたときにでも、プレゼンを変え続けます。ひと言でいえば、「誠に往生際が悪い」(笑)。
  ▼
 でも、その場の空気感とか、参加者の方々の年齢や顔色、コミュニケーションしている様子、うなづきの様子を「見ながら」、
「ここは伝わってないな、もう一回、言葉をかえて言おう」
 とか
「この内容を入れた方が、刺さるだろうな」
 とか
「さっき質問してくれた人の言葉をコンテンツに入れ込んだ方が、つながりができるだろうな」
 とか、そういうことを感じるのです。こういう感覚は、言葉で表現することはなかなかできません。
 そうした予想が、100%あたることはないですが、比較的高い精度で、内容を更新した方が、よい結果が生まれます。
 先だっても、ある会場で、用意したプレゼンの5分の1を入れ替える、ということをしました。
  ▼
 さしずめ、そうした「往生際の悪いプレゼンテーション」の様子はインプロヴィゼーション(即興)に喩えることもできるのかもしれませんが、興味深いのは、プレゼンのすべてを「インプロ」でつくっているわけではなく、会場に向かうまで、自宅でプレゼンは完全に作り込んでいるのです。
 いったんは、完全に、作り込む。
 しかし、会場にいったら、作り込んだことはいったん忘れる。
 その場の状況を見ながら、時間ぎりぎりまで作りかえ続ける。
 
 こうしたやり方を、何と言って良いのかわかりませんが、いつか、そういうプレゼンのやり方に、名前をつけてみたいな、と思っています。
 そして人生は続く

ブログ一覧に戻る

最新の記事

2025.9.26 18:14/ Jun

立教大学中原ゼミの学生たちが開発した「ワークショップ」が、220社の内定者教育・新人教育として導入されています(感謝感激!):8期生・新プロジェクト・キックオフ会を開催しました!

「最近の学生」や「新入社員」を「十把一絡げ」にする「便利な言葉」が嫌いなのである!?

2025.8.31 08:12/ Jun

「最近の学生」や「新入社員」を「十把一絡げ」にする「便利な言葉」が嫌いなのである!?

2025.8.26 20:52/ Jun

【無料イベント参加者募集中】アンコンシャスバイアス研究の最前線!:アンコンシャスバイアスとうまく付き合う方法をさぐる!?

【イベント参加者募集中】若手社員と学生の本音から考える「新卒オンボーディング」

2025.8.25 18:16/ Jun

【イベント参加者募集中】若手社員と学生の本音から考える「新卒オンボーディング」

大学教育の改善は「データ」だけでは進まない!? : 高等教育機関のIRについて思うこと!?

2025.8.14 21:25/ Jun

大学教育の改善は「データ」だけでは進まない!? : 高等教育機関のIRについて思うこと!?