NAKAHARA-LAB.net

2009.3.18 07:36/ Jun

ドゥアブルとデリバラブル

 Doalble(ドゥアブル)、Deliverable(デリバラブル)という言葉がある(よく聞く言葉なので、元ネタがわからない・・・金井壽宏先生・岸良 裕司さんの著書「過剰管理の処方箋」にも引用されている)。
  ▼
 仮に、今、「あなたの仕事は何ですか?」と、ある研究者が、他者に問いかけられたとしよう。
 その場合、
 「開発研究をやっています」
 「調査やっています」
 と答えるのが、ドゥアブルである。
 ドゥアブルとは「できること」。先ほどの答えは、「自分のできること」を列挙している。
 それに対して、デリバラブルには「宛先」がある。他ならぬ「誰か」に何かを届け、「誰か」の役にたつことが、デリバラブルである。
 先ほどの例でいうならば、
「現場の人に届くような開発研究をやっています」
「ポリシーメーカに届くようなかたちで調査をやっています」
 と答えるのが、デリバラブルである。デリバラブルとは「誰かにもたらすもの」である。
 あなたが仕事を語るときのことを思い出して欲しい。
 あなたは、自分の仕事を説明する。
 そのとき、あなたは、ドゥアブルを語っているだろうか?
 それとも、デリバラブルを語っているのだろうか?
 あなたの仕事の「宛先」は誰か?
  ▼
 ドゥアブルとデリバラブルは、自分の仕事のあり方に深い内省をもたらしてくれる。これは学問のあり方や、学問の宛先性を考える上でも、非常に有益だと思う。
 あなたの専攻する学問のデリバラブルは何か?
 
 なかなか考えさせられる。

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