NAKAHARA-LAB.net

2017.5.19 05:57/ Jun

プレゼンづくりとは「言葉を減らすこと」である!?

 仕事柄、たくさんのプレゼンテーションをさせていただきます。
 授業、研究成果発表、講演、セミナー、研修、ワークショップ・・・。形態に差こそはあれ、どんなときにも、僕の仕事に、プレゼンテーションはついてまわります。
  
 僕がプレゼンを作成するとき、心がけているポイントは、たくさんあります。
 いつか、そうしたものを形式知化してまとめて「書籍」にでもしてみたいな、とも思うのですが、現段階で「10冊の書籍」を抱えている身で、「どの口がいうか」という感じなので、やめておきます(笑)。す、す、すみません。遅れがちで。
   
 僕がプレゼンで心がけていることのひとつに「キーワードを減らすこと」があります。
  
 より具体的には、
  
 プレゼンでは、もっとも伝えたい言葉を絞って、必ず定義する。
 ひとつ言葉を決めてしまったら、その言葉を「似た言葉」で「言い換えない」
 ひとつ、用いる言葉を決めてしまったら、その言葉を連呼する。
  
 ということがポイントかと思っています。今日は、そんな「わたしのプレゼン道」のお話をさせていただきます。
  
  ▼
    
 たとえば、今、仮に「OJT」という言葉があるとします。仮にね。
 この言葉をたとえば「上司と部下のあいだの成長支援」と定義する、とします。仮にね。
  
 そのあとで、もし僕がプレゼンをつくるならば、
  
 これに似た言葉をたぶん、プレゼン内部から「全廃」します。
  
 現場での学習
 職場での学習
 上司からの指導
 上司からの助言
 職場学習
   
  ・
  ・
  ・
  ・
   
 そうした「似た言葉」をできるだけ使わないようにします。
 なぜ、そういうことをしなければならないかと申しますと、
  
 講演者が思っている以上に、「聞いてくださる側」には「伝わらない」からです。
 特に「キーワード」を絞らないと、びっくりするくらい「伝わらない」
  
 その理由のひとつは、先ほど聞いた言葉と「似た言葉」がでてくるたびに「聞いてくださる側」の頭の中には「?マーク」が生まれるからです。
  
 あれっ、さっき言っていた「ほげほげ」と、この「ちょめちょめ」は何が違うんだろう?
 おっ、この「へろへろ」と、あの「ちょめちょめ」の関係は何だろう?
  
 こうした疑問が生まれると、たいていの場合、そこで「シャッターがおろされてしまいます」
 もう、いいや。なんかわかんないから、もうやめよ。
    
 だから、プレゼンでは「言葉を極限まで減らすこと」が求められるのです。
  
   ▼
  
 しかし、一般に、プレゼンをなさる方は、これとは「逆のこと」を考えてしまうものです。
「なかなか伝わらない」ないしは「確実に伝えるよう」として、「よかれ」と思って、新たな言葉を足してしまったり、似た言葉を紹介してしまったりします。要するに「盛り込みすぎる」です。
  
 プレゼンは「盛ればもるほど」伝わりません。
  
 自戒をこめて申し上げますが、
  
 プレゼンづくりは極限まで「言葉を減らすこと」なのです。
 腹をくくって、ひとつの言葉を決めたら、それを抱きしめ続けることなのです。
 シャバの世界同様、プレゼンの世界も「浮気」や「移り気」はいかんね(笑)。
  
 僕はそう思いますが、いかがでしょうか?
  
 あなたのプレゼン、全部盛りラーメンのようになっていませんか?
 盛り込みすぎて、どんぶりから、言葉があふれでていませんか?
  
 そして人生はつづく
   
  ーーー
     
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