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2017.1.31 07:09/ Jun

「働き方改革時代」の異業種研修はいかにあるべきか?

 3年前から、異業種4社のトップ人材のみなさまが、北海道・美瑛町に集結し、地元の方々とともに地域の課題解決を行うプロジェクトを、各社の人事部の方々、現役マネジャーの皆さんとともに、つくっています。
    
 異業種課題解決研修は、
  
1.異業種の数社の
2.次世代リーダーのみなさまが異業種で混成チームをくみ
3.北海道・美瑛町に集い、地域の課題解決をおこなうなかで
4.自らのリーダーシップ・影響力を学ぶ
    
 研修です。
  
 ヤフー株式会社の本間さん・池田さんにお声がけいただき、中原も、企画・監修者として、またプロジェクトのファシリテータとして、本プロジェクトに参画させていただいております。
 去年までの様子は、こちらをご覧下さいませ。これまでNHK「クローズアップ現代」、テレビ東京「ガイアの夜明け」などにもとりあげられている研修です。
      
アサヒビール、電通、ヤフー……エース社員研修に潜入 -中原 淳
http://blogos.com/article/124371/
  
 プロジェクトは3年間で第一期を終えましたが、今年からまた3年、第二期に入ることになりました。
 第二期のメンバー企業は、現在のところヤフーさん、マクロミルさん、ヤマトホールディングスさん、テンプホールディングさん、パナソニックさんの5社が名乗りをあげています。趣旨にご賛同頂きましたみなさまに、こころより感謝しております。
  
  ▼
   
 先日、4社の事務局のみなさんが「初顔合わせ」をおこなうキックオフがあり、各社の人事部の皆さんがどのような思いやねらいでここに参加しているかについて、みなで議論をさせていただきました。
 時間は短時間ではありましたが、またこれから数年顔をあわせていくメンバーとしてみなさまが非常に頼もしく、またお仕事でご一緒させて頂くことを嬉しく感じました。
  
 せんだってのキックオフでは、不肖・中原も、思いやねらいについてお話しさせて頂きました。
  
 まずお願いさせていただいたのは「同じふね」にのっていただきたいということです。
 この段階でもっとも大切なことは、グループワークを参加者にもとめる事務局みずからが、チームワークを発揮できるかどうか、「同じふね」にのることができるかどうかです。この研修では「事務局のあり方」が問われます、とお話をさせていただきました。みなさんと「よき航海」ができそうな気がして、とても嬉しい気持ちになりました。
 
 ふたつめは「今年の挑戦」についてです。
 個人的には、第二期は、第一期で気づいた「枠」を「ゼロベース」で見直し、まったく新しいものをつくる気概をもって取り組みたいと考えています。
  
 その際、大切だなと思っているのは「働き方改革」という昨今のムーヴメントにおいて、アクションラーニングプロジェクト(異業種研修)が、いかにあるべきかをじっくり考えることではないかと思っています。例えば、下記のような挑戦的課題がありえるでしょう。
  
1.リモートワーク環境でなされる「課題解決」をいかに行うか?
  
2.ダイバーシティの高いチームで、それぞれの強みをいかし、いかに高い成果をあげるか?
  
3.短い時間で、いかにチームの成果をあげるか?
  
 いずれも「働き方改革時代」のアクションラーニングのコンテキストとして、非常に挑戦的な課題です。
  
 一般にアクションラーニングでは、ともすれば、
    
 遠隔で作業をすすめると、うまくファシリテーションがいかず、チームがグズグズになったりしたり・・・
    
 メンバーのダイバーシティが高すぎて、話がかみあわず、チームが崩壊寸前に陥ったり・・・
  
 チームでのコンセンサスがとれないため、いたずらに課題解決に長い時間がかかったり・・・
  
 してしまう「困った事態」が生まれやすいのかな、と思います。
    
 こうした事態をいかに防ぎ、高い生産性と成果を実現するのか。
  
 「第二期」ならぬ、「ゼロベースの第二期」は、各社の皆さんと、ここにチャレンジしていきたいと、個人的には感じています。
  
 いずれにしても、とても楽しみにしています。
 
 そして人生はつづく

   ーーー
  
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