The Long & Winding Road - 2003/08

     


    
Blue sky at hawaii photo by Miwa

  


2003/08/29 STOMP

 先日、カミサンとSTOMPを見に行った。STOMPはオフブロードウェイで上映されている舞台。マッチの箱、ブラシ、ゴミ箱のふた、ドラム缶、新聞紙とか、そういう日常にありふれたモノをガシガシと使って、8人のパフォーマーがリズムを刻む。

 STOMP JAPAN Official Site
 http://www.stomp-japan.com/

 STOMP(Video Clipあり)
 http://www.stomp-japan.com/

 コトバはいっさい使わず、苦笑、爆笑を引き出す演出はモノスゴイものがあります、さすがは世界32ヵ国で上演されているだけはあります。

 ステージは、笑いあり、熱狂ありで、最後には観客自身がSTOMPになっちゃうんです。飽きる瞬間、油断する暇が全くない、最初から最後まで心ゆくまで楽しめました。日本人女性パフォーマーの宮本やこさんもかっこよかった。STOMPのメンバーの中で、彼女だけ、和太鼓のたたき方なんだよね、それがかっこよい。

 鼓舞(宮本やこさんのつとめる和太鼓&TAPグループ)
 http://www.cobu-ny.com/

 宮本やこさんの記事
 http://news.goo.ne.jp/news/fuji/geino/20030822/20030822-f-24.html

 STOMPはこれから日本全国をまわるそうです。もう12年続いているSTOMPの舞台。今回のツアーの最中に観客動員数も1000万人を突破するそうなんです。

 是非、あなたのお近くにSTOMPがきたら、出かけてみては?
 きっと元気になれるよ。


2003/08/28 投書

 先日、オジサマたちがメイン読者と思われる、ある週刊誌を読んでいたらこんな投書がでていました。

うちの社員の中で、ある時期を境に、「ありがとうございます」とか「ごちそうさまでした」が言えないワカモノが増えてきた。何を勘違いしているのか知らないが、上司に仕事を助けてもらっても、食事をおごってもらっても、それがアタリマエだと勘違いしている。
 
こういうことを言うと、気の小さい人間と思われるかもしれないが、年齢が上だからといって仕事の面倒を手とり足とり見なければならない義務なんてあるわけじゃない。食事だっておごらなければならないなんてルールはない。
 
別にお金を節約したいわけじゃないし、ケチなわけでもない。でも、そういう失礼なヤツに出会ってしまうと、怒る気力も失せる。それ以上、助けてあげたくなくなるし、食事にも誘いたくなくなる。
 
人として、気持ちよくワカモノと接したいだけなのだが。

 うーむ・・・自分がワカモノとよばれるカテゴリーからハズレていることは、重々承知しつつも、自分はこれまでこのような感情を人に持たれたことはなかったかな・・・大丈夫かな・・・と妙に反省してしまいました。

 同時に、そういうヤツに出会ったら、自分もこのオジサマみたいに思うだろうな、と妙に同情してしまいました。「仁義の通せない人間」はどんな世代だってイヤだと思います。

 勘違いには気をつけたいなと思いました。


2003/08/27 爆睡

 昔、僕が学生だった頃、日中の電車で爆睡しているサラリーマンを見るたびに、「どうしてこの人たちはこんな場所で、こんな時間から爆睡できるんだろう?」と、よく思った。

 確かにガタンゴトンという電車の揺れで寝るのは気持ちがいい。ウトウトならありえるかもしれない。でも、かれらの多くは爆睡しており、電車が急に止まろうが、車内アナウンスがあろうが、どんなにヤカマシイ乗客の一団が乗ってこようが、全く起きる気配すらない。

 時間は早すぎるし、騒音だってひどいものだ。当時の僕にとっては、そこは寝る場所ではなかった。電車の中で寝るなんて事はほとんどなかった。不思議だな、といつも思っていた。

 ところが、最近、ハタと気がついた。あれはもしかしたら「爆睡していた」のではなく、「落ちていた」のではないかな、と。蓄積された日々の疲れからか、カラダに防御反応がはたらき、自然に脳みそがカラダにシャットダウンを命令していたのではないのかな、と。

 僕自身、たまーに、電車の中で、落ちてしまうことがある。そこがどんなにうるさくても、満員の車内がどんなに暑くても、車内アナウンスがうるさくても、どんなにオモシロイ本を読んでいても、なぜか、落ちてしまう。

 そう、いつのまにか記憶がない。
 読みかけの本だけが膝の上にある。


2003/08/26 迷惑な電話

 ちょっと前の日曜日、非常に失礼なマンションの電話勧誘に、脳の血管が数十本キレた。

相手「中原さんですよね?、今、マンションの購入のご案内をしているんですが?」

中原「うちは興味がありませんので、結構です」

相手「結構って、それはマンション必要だってことですよね?」

中原「は?・・・いいえ、必要ではないということです」

相手「必要ではないって、それは住む場所がなくてもいいってことですか?」

中原「・・・(血管プチッ)」

中原「うちはマンション購入に興味がないと言っているのです」

相手「でも、お宅は賃貸ですよね、それでいいのですか?」

中原「申し訳ないですが、これ以上お話しすることはありません。電話を切らせていただきます、ガチャン」
(数秒後電話がかかる、すかさず留守電にした)

相手「中原さん、いるのわかってるんですよ、おーい、おーい、おーいって。必要ないなら必要ないって、もう一回言ってくださいよ、それで終わりですから。住所わかってるんですよ、これから、じゃあ、そちらに伺うから(ガチャン)」

 みないな電話よ。

 いやー、思い出しただけで腹が煮えくりかえってきた。結局、うちには誰もこなかったけどね。これ、要するに居留守の人を電話に出させる作戦なんだろうね・・・作戦ていうか、脅迫に近くない?

 次の日、いろんな人に話をきいたら、結構、みんなこの手の電話でイヤな思いをしているみたいですね、僕ははじめてだったけど。

 もうこの手の電話をせっかくの休日に受けるのはイヤだと思って、うちの電話は「非通知」はいっさい受信しないことにしました。この設定、NTTに月額数百円払うんだけどね、すぐにやってもらいました。それからは全くかからないようになったけど。

 休めるのは週末だけなんです・・・それも1日しかないことが多いんです。
 そちらも仕事なので本当に大変だとは思うんだけど、せっかくの週末、イヤな気分で過ごさせないでください。


2003/08/23 カラダのこと

 20台も後半に近づいてきて、確実にいえることがあります。

 ズバリ、25歳をこえるあたりから、フツウに食っていると確実に体重が増える!

 これは僕だけが経験していることではなく、僕の同期とかもみんな言っているから、きっと真実だと思います。

 これまでは「フツウに食っていれば、体重は増えなかった」んですね。ところが、四捨五入して30歳になるあたりから、どうもそうはいかなくなるようです。「フツウの生活=太る」になっちゃう。きっと代謝が低下しているせいなんでしょうか?

 だからね、僕のまわりで体型を維持しようとしている人は、みんな何らかの努力をしているように思います、たとえば食事を制限したり、運動したりね。フツウに生活していては、体型を維持することはなかなか難しいです。

 僕、ダイエットを行ったのが2年前になります。結婚+禁煙で指数関数的に増加していた体重を落とすことにして、1年かけて23キロやせました。現在の体重になったのは、1年前ですが、それからずっと維持しています。おかげで随分健康になりました。健康診断の結果もかなり良好になりましたし。

 ヒケツは何ですか?とたまに聞かれるのですが、僕のやっていることでそれっぽいのは、1)毎日、朝一番に体重計にのること、2)洋服を買うときはタイトなものを買うこと、くらいです。どちらも、「体重の増加を意識するための工夫」ですね。

 今後も、ホンの少しだけ意識して、現状を維持したいと思います。
 来年、アメリカ行ってもできるかなぁ・・・自分でケツふけないくらいリバウンドしたらどうしよう・・・・少し不安ですが。


2003/08/23 OLのレジスタンス

 オモシロイ本を読んでしまいました。

 小笠原祐子(1998)OLたちの「レジスタンス」―サラリーマンとOLのパワーゲーム. 中公新書, 東京

 「OL(Office Lady)」という、女性のいわゆる「一般職」の人たちが、いかに会社の中で社会的かつ制度的に弱い立場におかれているか。加えて「会社の中で弱い立場にある」ということが、実は「会社の中での強者=総合職=男性」に対して強い抵抗力となりうるか。そして、彼女たちのレジスタンスが、かえって彼女たちの立場をより弱い立場においてしまうというアイロニーを生み出しているか、という話です。企業を対象としたフィールドワークの所産です。

 「弱さの強さ、それゆえの不平等の再生産」という話は、実は、今までにも教育学で何度も指摘されていることです。たとえば、一番有名なのがポールウィリスの「ハマータウンの野郎ども」というフィールドワークの本ですね。

 この本の主役である「野郎ども」は、ちょうど「OL」たちのおかれている社会的立場と同質の関係にあります。それ以外にもいくつか同様のフィールドワークの知見はあります。しかし、なんといっても、このOLの事例のオモシロさは、企業を対象にしているということと、たとえば「バレンタイン」とか「総スカン」といったような、どこにでもありそうな企業内の出来事から論を立ち上げていることでしょうか。

 それにしても、この本、1998年に出版されていたのですね。もう少しはやく出会いたかったな。不勉強ですね、反省しました。それにしても、OLって昔は「BG : Bussiness Girl」ってよばれてたんだね、知らなかったなー。


2003/08/22 ぼくは野球を知らない

 実は、何を隠そう僕は野球をほとんど知らない。

 まずもってプロ野球選手の名前をほとんど僕は知らない。そうはいっても「王」とか「長島」とか「イチロー」とかなら知っているが、たまに似ていると言われる「新庄」に至っては、大学院進学のため大阪にいくまで知らなかった。

 もちろん、ルールに至ってはほとんど知らない。先日、カミサンがテレビの野球中継を見ていて「ゲッツー、ゲッツー」と叫んでいた。また、「最近流行のしょーもないギャグでカミサンご乱心か?」、と思っていたら、どうもそうじゃないらしい。あとでその意味を聞いたとき、どこかで知っていたような気もしたけど、その記憶はなんか脳の遠いところにありそうだったので探すのをやめた。

 なぜ、僕が野球を知らないか?

 それは、ひとえに野球を見たことがほとんどないからである。野球中継を最初から最後まで1度も見たことがない。僕にとってはテレビの野球中継は、ドラエモンやドリフなどのお気に入りのテレビ番組を1週間延期してしまうヤッカイなものでしかなかった。

 そんなわけで、僕は野球を知らない。
 この事実、この日記を読んでくれている人にとっては、どうでもいいことこの上ないが。


2003/08/20 このまま、きっと終わる夏

 昨日、イエの外にでたら蝉の鳴き声が耳に飛び込んできた。僕のマンションの隣は、とても大きな旧家で周りを木々に囲まれており。ふと見れば、木の幹には10匹以上の蝉がとまっていた。どうりで大きな鳴き声がするはずだ、と思って納得していたら、衝撃的なことに気がついた。蝉の鳴き声がするということは、もう夏が終わりに近づいていることを意味する。

 思えば、東京に住むようになってから、これほど短かった夏はないな、と思う。「短い」というよりも、「スカ」といった方がいいかもしれない。考えてみれば、昨日、僕は何の気なしに、長袖のカーディガンを来てカイシャ(センター)にいった。真夏にカーディガンとは、やっぱりどうかしている。どうかしているのは、おそらく僕ではなく、この「夏」なんだろう。

 はじめて東京に来たとき体験した鮮烈な夏を思い出す。

 あのころ、僕は世田谷の「今から考えれば筆舌につきる学生アパート(わからない方は以前の日記を見てほしい)」の102号室に住んでいた。102号室にはクーラーなどなく、悶絶死寸前だった。雪国育ちの僕としては、内地の夏の暑さはアンビリーバボーをとおりこしていた。「これはオカシイ、日本の何かが狂っている」と日本の世相を案じたりもしたが、やはり暑さは変わらない。

 早朝、汗びっしょりでフトンから飛び起き、部屋のモーッとした暑さが迫ってくるのを感じては、「あー、もうダメ、僕を今すぐシャットダウン!」という感じでまた寝た。あまりの暑さに起きているよりも寝ている方がステキだった。人間辛ければボケるしかない。僕は夏の暑さを呪った。

 今から考えてみれば、あのころの夏は本当に暑かった、それに信じられないほど「長かった」ように感じる。長くて長くて、このままこの暑さが解消されなければ、ヒッキーになってしまいそうだった。

 短い、否、「スカ」同然の今年の夏。きっとこのまま気がつけば秋になるんだろうけど、あれほど憎んだ夏も、こうスカされてしまっては、なぜだか懐かしい。

 みーん、みーん、と鳴く蝉を見ながら、そんなことを思っていた。


2003/08/19 焼酎

 グラノーラブーム、豆腐ブームに続くマイブーム(もう死語だな・・)第三弾は、焼酎!

 「ていうか、これを飲むのはうちのカミサンだけだろ」と思っていたのですが、なんだか知らないけれど、最近ハマっています。

 かつて飲み屋でバイトしていたとき、オヤジの客が「焼酎お湯割り」を注文するたびに、「俺は、この飲み物だけは飲むことはきっとないな」と思っていたのですが、そいつは間違いだった。ケツ青かったね、18歳の僕、青々だったね。ていうか、食わず嫌い王だったね、スマン、もう遅いかもしれないけど謝るね、「焼酎」と「うちのお客だったオジサマ方」。

 酒というと、僕は、これまでもっぱらビールかワインだったのですが、こちらの方は相も変わらず健在で、特にワインはずいぶんとラベルもたまってきました。それに加えて焼酎だとさ、まだ飲むんだってーの・・・だけど大丈夫、総量は変わらないからね。

 焼酎をのむきっかけになったのは先日の鹿児島出張でした。ここで飲んだ焼酎、なんていう名前か忘れちゃったけど、これがうまかったんだねー、お湯割りがよかった、感動した。鹿児島のみなさん、ありがとう!先日、カミサンの妹さんからは「沖縄の焼酎≒泡盛」をいただきました。真里さん、ありがとう。おまけに土曜日には実家から「しそ焼酎」が届く予定です。お父さん、お母さんありがとう。こちらもなかなか入手できずにいたので、楽しみです。

 みんな、みんな、ありがとう!
 メチルアルコール以外、何でも試してみな気がすまんなー、もはや。
 でも、試すからには江戸切子のグラスが欲しくなるなー、形から入らな気すまんしなー・・・


2003/08/15 ベクトル

 かつて、同じように通学路を歩き、同じように放課後を過ごした同級生たちが、今、全く違った、その人なりの人生を過ごしている。子どもを育てているものもいる。商談でその人生の大半を機中で過ごすものもいる。線路を守るものもいる。次世代の食品を研究開発するものもいる。

 少しずつ、だが確実に、それぞれの進路のベクトルにズレが生じ、今に至っている。これからもっとベクトルはズレていくんだろう。そして、その中から、かつて僕らが交差していたときには思いもよらぬ人生を生きる仲間がでてくるんだろう。

 それでも進もう、いつかまたあの場所で交差する日を願って


2003/08/13 アイーダ

 夏休みの初日、カミサンとお義母さんと僕とで、宝塚に行った。今回見に行った演目は「王家に捧ぐ歌−オペラ「アイーダ」より−」だった。

 アイーダは、もともとはオペラ。今回僕らが見たのは、それがミュージカルとしてデフォルメされ、「ヅカチック」にアレンジされたものといってよいだろうか。

 ミュージカルとしてのアイーダは、数あるミュージカルの中でも、もっとも大規模な部類に入るもので、昨今では、「ライオンキング」の演出を担当していたジュリー・テイモアが演出してブロードウェイにて上演されている。

アイーダ
   
  

   

宝塚の本拠地にいざはいる。中はやっぱり女性が群れをなしていた。今回見たのは、アイーダ。少女漫画「王家の紋章」のノリだ。

  

 今回の公演、先日見たモノより、歌はうまかったし、脚本も洗練されていたように感じた。もっともダンスはあまり入っていないから、それが好きな人はあまり楽しめないかもしれないが。

 相も変わらず、お話が終わったあとでのクジャクの羽ダンスには辟易としてしまうが、かなり楽しめた。


2003/08/12 月光浴

 先日、東京駅の大丸12階で開催されている石川賢治の月光写真展に、カミサンと出かけた。月光写真とは、「月の光だけで撮影する写真」のこと。その写真は濃い青色に支配されており、どこか静けさが漂い、わけもなく切ない。

 石川賢治 月光浴
 http://fullmoonlight.net/

  個人的には「キリンの三兄弟」や「岬と波」なんかが好きだ。

 キリンの三兄弟
 http://fullmoonlight.net/exhibision/works02.html

 岬と波
 http://fullmoonlight.net/exhibision/works04.html

 写真展の最後の方で展示されていた「京都シリーズ」も、これまで見知っていた「銀閣」「金閣」「竜安寺」とは違った情景が浮かんでいて、とってもよい。

京都月光浴
 

  写真展は8月31日までやっているとのこと。癒やされたい方には是非おすすめです。 


2003/08/10 鹿児島

 先日、CIECという学会のシンポジウムでの講演のため、鹿児島に行ってきました。「exCampus」「昨今の大学のIT施策」などについてお話しさせて頂きました。

 講演自体は、おかげさまで何とか無事に終えることができました。最近導入した「コードレスプレゼンター」も、だんだんと使い方をマスターしてきました。これ、実は、先日シアトルにいったときに、他の人が使っているのを見て、ついマネっ子したくなって買ったんだけどね。なかなか手にシックリくるようになりました、めでたい、めでたい。

 そうそう、あと、めでたいことといったら、「exCampus本」を持った学生さんに会場で声をかけられたことです、これはとっても嬉しかった。恥ずかしがり屋なので、途中で「こっぱずかしく」なってしまって、ちょっと照れていましたが、めでたい、めでたい。

 まーま、それにしても鹿児島、とにかく暑かったです。台風がくる前だったから、「もーっ」としてました。東京は今年は涼しいからね。

 ともかく、発表も無事に終わったし、夜は「焼酎」も飲んだし、思い残したことはありません。鹿児島でお世話になった方、本当にありがとうございました。

 これでゆっくりと夏休みに入れます!
 
追伸.
そういえば「ヴィゴツキー本」出版に向かっているとの連絡が、北大の石黒先生からありました、こちらも楽しみです。


2003/08/08 近況

 ここ最近数ヶ月ほど、眠れぬ夜ごとに独り企画していた「IT時代の人材開発本」、ついに昨日企画書が完成しました。

 で、本日、企業内教育がご専門の小松さん@NTTラーニングシステムズ、北村さん@東京海上HRA、松田さん@青山学院大学、浦嶋君@三菱総研に企画書を見ていただき、今後の執筆についてご相談させていただきました。今日、NIMEで研修が開催されていて、そのあとにお時間をいただいたのです。

 この本は、「企業の中での学び」に焦点をあてた本で、僕が院生時代からずーっと「やりたい、やりたい」と思っていた企画でした。人は生けとし生きる限り、すべての瞬間で学び続けています。従来あまり焦点があたることのなかった企業の中での学びの事例を、それを運営する人のナマの声で明らかにしたい、具体的で実践的な声をもって、そこで起きている出来事を詳細に記述すること、それが本書の執筆の直接の動機です。

 最近いろいろな場所で言っていますが、僕は「アダルトな人々の学び」に大変興味をもっています。それは既存の学問領域では、なかなか十分に取り扱われてはこなかったと思っています。

 本企画、幸い、皆さんのご協力が得られそうなので、ガシガシ話を進めていきたいと思います。

 オレはやるぞ!


2003/08/07 Making learning visible

 LOT研究会2003、今日は、甲南女子大学の上田先生、吉田さん、国立民族博物館の佐藤さんをお迎えして、「ワークショップの評価」についてご発表いただいた。とってもオモシロイ発表で、いつものことながら、深く考えさせられた。また、おかげさまで、飲み会もとっても盛り上がって、8月のLOT研究会、よい暑気払いになりました。

 ところで、今回のご発表でナカハラが感じた点、以下、一番印象的だったことを書いてみました。

 なにせね、一番思ったのは評価概念の相違です。いわゆるeラーニングなどで行われている評価の概念と、上田先生がやられているワークショップにおける評価とは微妙に違うなと思いました。

 前者は、パノプティコン的というのかな。学習者からは見えない中央系(超越論的な存在)≒データベースがあって、そこに情報が常に集まっていて、そこに対して常に一方向的に情報が流れている感じ。そこで流れている情報が評価でね。そこに情報を流すのが学習者なわけです。それは固定化された役割だ。

 それに対して後者は、「超越論的な中央系は存在せず、大きな物語は共有しつつも相互に目的や考え方の異なる参加者がひとつの場を構成している」「参加者の間で常に多方向に情報が流れるよう、情報の可視化の活動が相互に行われている」「参加者自身がそれぞれの目的に従って相互に調整を行いながら自己成長していき、その成長にしたがってデザインも評価も行う」みたいな特徴があるんじゃないかと思いました。これらの特徴があるが故に、「デザイン」と「評価」が不可分になっている感じというのかな。

 ちょっとLOT研に参加してない人にはわかりにくいかとは思うけど、僕個人は、そんなことを考えていました。

 これに加えて、今回のご発表では、ここでは筆舌につきるくらいの様々なシードを、今回のご発表で僕らに投げかけていただいたたな、と思います。この場を借りて、上田先生、佐藤さん、吉田さんには感謝致します。本当にありがとうございました。

 また近いうちにお逢いしましょう!
 楽しみにしています。


2003/08/04 Jazz

 結構、Jazzは好きな方だと思います。そんなにマニアックなわけではないですが、一通りの曲は今まで聴いてきました。ていうか、僕、あんまり見境ないんです。好きな曲は好き、それがどんなジャンルであれ。心地よければいいんだって。

 で、最近、凝っているのが日本の女性Jazzシンガーなんです。先日、エイヤッと下記のCDを買ってしまいました。

 ケイコ・リー
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006JUEK/nakaharalabne-22
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005ULGS/nakaharalabne-22
 
 綾戸智恵
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00007LKIF/nakaharalabne-22

  歌い方も違うけど、この二人の声、本当にいいです。前者の声は、どう考えても日本人離れしてます。後者は基本は関西系シャウトなんだけど、どこか惹かれてしまう。

 是非、この二人のコンサート行ってみたいんだよねー。二人ともチケットとるのがワールドカップより難しいって言われているらしいですが、これは発売当日にコンピュータの前でクリック連打するしかないね。


2003/08/02 eラーニングワールド2003

 非常に急ぎ足での見学となりましたが、先日、東京ビックサイトで開催されていた「eラーニングワールド2003」をのぞいてきました。今年でこの催しは3回目になるのでしょうか。全体を通していくつかの感想を持ちましたので、以下に述べたいと思います。

 eラーニングワールド2003
 http://www.elw.jp

  まず、去年のeラーニングワールドと端的に違うナーと思ったのは、各企業ブースでのLMSの取り扱い方についてです。去年までは、各企業とも「うちのLMS、どうだぁ!」という感じで、そのPRにものすごくチカラを入れていたのですが、今年は少なかった。

 LMSは「もうあってアタリマエ」の存在になってきていて、1)どうやって効果的な学習の準備をさせるのか?(レディネスの測定)、2)そこでどんなモノを学習するのか?(コンテンツ)、2)学習した結果をどうやって測定するのか?(アセスメント)、4)アセスメントした結果を何に反映するのか(Human Resource Management)、という側面が注目されておるのだな、と思いました。各項目に対応するサービス、ツールがいろいろと提案されておりました。それらをトータルなソリューション(パッケージ化されたサービス群)として提供することをめざす企業もありました。

 上記の4点の中で、特に今年の傾向として顕著だったのは4についてです。要するに、人材管理システムとeラーニングシステムをむすびつけるお話がとても多かった。

 企業の経営戦略上、従業員に必要な能力(コンピテンシー)を定義し、それに不足がある授業員の教育をeラーニングで行い、その結果を基幹系システムに反映する。去年はあまりフィーチャーされていなかった、こういう話が多くの企業ブースで語られていました。この意味では、eラーニングワールドというカンファレンスが、HRD(Human Resouce Development)のカンファレンスに近づいてきているな、という感想を持ちました。

 HRD Japan 2003
 http://www.hrd2003.com/

 なお、人材管理とeラーニングの結合については、1)サービスの基礎概念に関する困難さ、2)それをサービスとして提供するときの実行上の困難さ、などいくつか克服すべき点があると思うのですが、それは酔っぱらったときでもお話ししましょう。

 ともかく、今年のeラーニングワールドでも、よい取材を行うことができましたし、深く考えさせられることが多かったです。関係者の方には、この場を借りて感謝致します、お疲れ様でした。


 NAKAHARA,Jun
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