1. Introduction

1.0. 教育工学って何だろう?

教育工学とは、アーティファクトの「教育的」な利用、「教育的」な開発を探求する領域である。

  • 教育工学とは、学習の過程と資源についての設計、開発、運用、管理、ならびに評価に関する理論と実践である。(米国コミュニケーション・工学会による定義)
  • 教育工学とは、学習を支援する道具の開発と、その道具の使用技術の開発をする学問である。(佐伯胖、1990)
  • 人間の立場から、アーティファクト(モノ)の利用方法や開発をおこなう領域が、教育工学である。

    1.1. 教育工学の挑戦 - 協調的知識創造環境の構築をめざして -

    教育工学の扱う領域はむちゃくちゃ広い

  • 黒板の書き方
  • コンピュータ同士の通信プロトコル
  • 生理指標を用いた人間の学習の測定
  • 今日のお題は、「協調的知識創造環境のデザイン」である。

    特に、「コンピュータ」にこだわって見ていくことにしよう。

    「コンピュータと協調的知識創造環境のデザイン」というテーマで、「教育現場」と「社会の現場」を見てみよう

  • というのは、教職をつこうとも、社会にでようとも「協調的知識創造」がキーワードになるから
  • だから、一粒(ひとつのテーマ)で二つの現場に対応できる 【一粒で2度おいしいグリコ方式】
  • 1.2. 混迷の地 - 教育の今、社会の今 -

    混迷の地(The Land of Confusion)

    神話の崩壊

  • 「学校にはいかなければならない」という神話
  • 「学歴」と「幸せ」の比例の神話
  • 年功序列の神話
  • 終身雇用の神話
  • 右肩上がりの神話
  • 社会も教育も、今までそれを支えていた神話が崩壊しつつあり、今、再構築がはじまろうとしている

    何をとっかかりに再構築、再生をおこなうか?

    そのキーワードのひとつが「知識創造」と「協調」である

  • 「知識創造」って何だろう?
  • 「協調」って何だろう?
  • 1.3. 「知識蓄積」から「知識創造」、「個人の頭」から「協調的な知」へ

    今や世界は「知識社会」にはいりつつある

  • でも、ただの「知識」じゃだめなんだ
  • 個人の頭の中に「知識」を蓄積することよりも、人々が協力しあって「知識」を生み出すこと

  • 「知識蓄積」から「知識創造」
  • 「個人の頭の中」に暗記された「知識」よりも、人々が「協調」しあって生み出した「知識」へ
  • 1.4. 協調的知識創造環境をどうつくるか?

    人々が協調しあって知識を創造できる環境をいかに作り上げるか?

  • この問いが近年、教育工学や認知科学とよばれる分野で注目されている
  • 協調的知識創造環境をつくるために、コンピュータがキーになっている。

    今日の講義では、この問いに対して、教育現場や社会の現場では、コンピュータを使ってどのような取り組みがなされているのかを見ていってみよう。


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